Chaos and Drama in the Hamptons!
Queen Bees of Tracy Anderson's Client

トレーシー・アンダーソンの女王蜂クライアントがこの夏、
ハンプトンズで繰り広げる馬鹿げたカオス & ドラマ

Published on 8/17/2023


NY郊外のハンプトンズは大金持ちがサマーハウスを構えることで以前から知られ、 マンハッタンのメガリッチがパンデミック中を過ごしていたのもハンプトンズ。
自宅勤務がニューノーマルになってからは、ハンプトンズを生活のベースにするリッチ・ピープルも増えており、 ハンプトンズにはリッチなニューヨーカーが日常生活で必要とするビジネスが全て進出しているのは周知の事実。
エクササイズ・スタジオもその1つで、過去数年、夏シーズンにはパンプトンズのソウルサイクル(スピニング専門ジム)の予約が取れないことから、 週末の午前中にソウルサイクルのクラスに参加していることはステータスになっていたほど。
エクササイズ業界で長寿の人気を誇り、かつて日本にも進出していたトレーシー・アンダーソン(以下TA)のクラスも ステータス・シンボル的なエクササイズ・クラスの1つ。 そしてこの夏、メインストリート・メディアが「リアリティTV顔負けの茶番劇が繰り広げられている」と報じたのがハンプトンズのTAクラス。 メガリッチの女王蜂たちが、大金を支払いながら馬鹿げた闘いや見栄の張り合いをする様子が、 ちょっとした話題を提供しているのだった。




メディアも驚く高額ワークアウト


毎年夏にTAがハンプトンズで開催するのがヴァイタリティ・ウィークと呼ばれる4日間のリトリート・プログラム。 これは他のエクササイズ・スタジオでも夏になると開催される集中トレーニングのイベントで、通常の料金は3000ドル程度。 TAのイベントは、ヨーロッパから年に一度ハンプトンズにやって来る熱心なファンからの申し込みもあり、人気が高いとあって 今年の料金は通常の2倍に当たる6000ドル。すなわち1日1500ドルのトレーニングを受けるのが参加者達。
多くの女性達は、ただでさえ高額だったシャネルやルイ・ヴィトンのバッグがこのところ益々高額になったと嘆いているけれど、 TAの料金も 近年大きく跳ね上がったものの1つ。 ハンプトンのメンバー達は毎月900ドルのメンバーシップ・フィーを支払っており、それ以外に夏の期間限定の”マット・フィー”、要するに自分のマットとそのスペースを確保するフィーとして 5500ドルを支払っているけれど、マット・フィーは過去5年間で5倍に跳ね上がっているのだった。 もちろん これらを支払う女性達にとってヴァイタリティ・ウィークへの参加は”マスト”。 したがって メモリアル・デイからレイバー・デイまでの夏のシーズン、ハンプトンズのメガリッチな女性達はTAのクラスに最低でも1万4200ドルを支払っている計算になるのだった。
また昨年からTAでは、カスタムメイドのウェイトやストレッチ用具など、合計4000ドルのエクイプメントを使用した”My Mode”という新たなクラスをスタートしており、 業界のインサイダーの見積もりではそのエクイプメントの原価は10分の1にも満たないお値段。 常連達にとってはTAのクラスの繋がりがニューヨークのハイソサエティ、有名私立校の父母コミュニティ、夫のビジネス・コネクションといった全ての人間関係に関わっているとあって、 参加をしないということはあり得ない状態。 そして参加をするからにはエクササイズ・ウェアやシューズ、ウォーターボトル、ジム・バッグ等すべてにおいて見栄を張り合う構図が出来上がっていて、 TAクラスの長年のクライアント層を支えているのは そのしがらみやプライドと言っても過言ではないのだった。



カオスとドラマの原因




現在TAはマンハッタン、ハンプトンズ、ニューヨーク、ロサンジェルス、マドリッドでエクササイズ・クラスを展開しているけれど、 夏場に最も忙しくなるのがハンプトンズにある2つのスタジオ。 そのため応援要員のインストラクターが必要になるけれど、最も距離的に近いはずのマンハッタンのインストラクターがこぞって出張を拒むのがハンプトンズのクラス。 その理由はクライアントが横柄で、「私が誰だと思っているの?」、「私の邸宅が何処にあるか知っているの?」、 「私の夫にどれだけ資産があるか分かっているの?」といった高圧的な態度で、直ぐに文句を言い、怒鳴りながら身勝手を押し付けるなど、ヒステリックな振舞をする女性が多いため。 その上、出張費が出る訳でもなく、マンハッタンと同じ給与で、スケジュールもタイトに組まれるとあって、マンハッタンのインストラクターがこぞって避けるのがハンプトンズのクラス。
代わりにクラスを担当するのは もっぱらLAとマドリッドからの出張インストラクター。 さすがに遠路はるばるやって来ると、多少嫌な思いをしても直ぐに帰ろうとは思わない上に、「夏をメガリッチやセレブリティに囲まれてハンプトンズで過ごせる」と いう誘惑に負けて、志願者は少なくないとのこと。
TAクラスはクライアントの経済状態等顧みることなく料金をバンバン跳ね上げるものの、それを支払う長年のクライアントの意向は取り入れる姿勢があることから、 昨今頻繁に起こっているのが、「あの人の言う事は聞けるのに、何故私のリクエストを無視するの?」という「あちらを立てたら、こちらが立たない」的な問題。 以前は有力クライアント全員を把握して、波風を立てずに運営を取り仕切るマネージャーが居たことから、そんなエゴの集団が相手でも ビジネスはスムーズに進んだとのこと。しかし そのマネージャーが去った途端に「カオスとドラマが始まった」とのことで、 メガリッチの女王蜂クライアント達が、自分の意向通りの待遇を獲得するために、経営側に脅しを掛けたり、時に署名運動で圧力を掛けており、 対立しているのはもっぱら 新参者のクライアントと、古参のクライアント。 その対立の内容は、クラスのスケジュールから、待遇面まで多岐にわたり、TA側も彼女らをコントロールすることが出来ないと言われるのだった。



TAブランド死守のために


2006年にマドンナ、グウィネス・パルトローのパーソナル・トレーナーとして一躍知名度を上げたトレーシー・アンダーソンは、2009年に自らのスタジオをトライベッカにオープン。 グウィネス・パルトローがビジネス・パートナー兼出資者となっていることもあり、パブリシティを集められるのが彼女の強さ。 前述のようにカリフォルニア、マドリッドにもビジネスを拡大しており、1ヵ月90ドルのストリーミング・クラスをホストする一方で、アパレルやエクササイズ用具やサプリメント、 TAスタジオと同じカスタム・フロアのフローリングまでを販売するのが彼女のビジネス・エンパイア。
気温35度、湿度75%のスタジオでダンス・ベースのワークアウトを行い、柔軟性のある細長い筋肉のスリムなボディをクリエイトする トレーシー・アンダーソン・メソッドで知られる彼女は、同時に ”血も涙もないタフな経営者”としても有名な存在。 彼女は、独立して自分のスタジオをオープンする元TAのインストラクター達のビジネスに圧力を掛け、 邪魔になる存在は裁判で叩き潰すことでも知られる存在。 現在は、”Sculpt Society/スカルプト・ソサエティ”を設立したメーガン・ループに対して ”トレーシー・アンダーソン・メソッド”を盗んだとして 損害賠償を請求する訴訟を起こしている真最中。
トランプ前大統領が、かつて建設下請け業の作業にケチをつけては訴訟を起こし、勝訴を勝ち取ってその施工料金を踏み倒してきたのはNYでよく知られる話であるけれど、 同様に裁判所が具体的に内情を把握できない訴訟の場合、司法システムに顔が効く高額弁護士を雇う側が勝訴を獲得するのがアメリカの司法システム。 そのため 高額弁護士を雇う資金があり、過去にも「自分のメソッドを盗まれた」と訴えを起こしては、 勝訴を勝ち取ってきたトレーシーに訴えられてしまうと 「まずは勝てない」というのがエクササイズ業界の暗黙の常識。
トレーシーが目の敵にするのは、自分のライバルだけでなく、自分に不利益をもたらすメディアやクライアントも然り。 過去に彼女の豊胸手術を大きく報じたメディアに対しては取材を拒否し、競合するエクササイズ・スタジオに投資をした元クライアントには 噂で悪評を広めるなど、 徹底的に叩くことで知られるのだった。
とは言ってもトレーシーのようなハイエンドのエクササイズ・クラスは、限られた裕福なクライアントを競って獲得し、 そのプレステージの高さやセレブリティ・クライアント達の名前を武器に グッズ売り上げや、ストリーミングのクラスのサブスクライバーを獲得するというビジネス・モデル。 そのため お人好しに振舞っていては、直ぐに若いジェネレーションにトップの座とクライアントを奪われてしまうのも事実。
またハンプトンズという小さなコミュニティでは、メガ・リッチが見栄の張り合いやエゴの闘いを繰り広げるのは TAのクラスだけでなく、 レストラン予約から、エクスクルーシブなホームパーティーへのインヴィテーションなど、幅広い領域に渡って毎年のように見られる光景。 そのため、今後も夏のハンプトンズはゴシップ・ネタを提供するようなアグリーなドラマやカオスがエスカレートすることが見込まれるのだった。


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