Starting at $7000 per Person Will Sail in 2024
クルーズ業界の最新トレンド、ラグジュアリー・ホテル・クルーズ、
2024年から富裕層ターゲットにスタートするリッツ・カールトン・ラグジュアリー・クルーズ
Published on 5/25/2022
大手クルーズ会社というとカーニヴァル・クルーズ、ロイヤル・カリビアン等といった大手が頭に浮かびますが、
こうした大手のレギュラー・クルーズ船は、ゲスト・キャパシティが約5400人、それに対してクルーが約1740人乗船。
これがエクストラ・ラージの船になると、例えば2023年からお目見えするカーニヴァル・マルディグラを例に挙げれば、
乗客のキャパシティは過疎地の街の人口を軽く上回る8375人で、船体の長さは何と344メートル。海に浮かぶ巨大なビルディングのようなサイズ。
ですがパンデミック後に再開した大型クルーズ船のビジネスは下降線を辿る一方。
しかしそんなクルーズ業界に2つのトレンドが誕生していて、その1つは以前CUBE New Yorkでもご紹介したレジデンシャル・クルーズ。
すなわち乗船者が旅行者として滞在するのではなく、居住者として船内のアパートに住むスタイルで、自宅勤務がニュー・ノーマルになった人々が
世界中を旅しながら、日常生活をクルーズ船で送るというコンセプト。
そして2つ目のトレンドが、ここに御紹介するリッツ・カールトン・ラグジュアリー・クルーズに代表される
ラグジュアリー・ホテル・クルーズ。すなわち一流ホテルがクルーズ船で、その一流ホスピタリティを提供するビジネス。
既にこのセクターにはラグジュアリー・ホテルの代名詞であるアマンやフォーシーズンスも参入を表明。
これから更に参入組が増えると見込まれています。
アメリカではクルーズ・ヴァケーションというと、これまではラグジュアリーなイメージよりも ディスニー・ランドに出掛けるような大衆的なヴァケーションというイメージが多く、
食事からエンターテイメントまでがクルーズ船で賄われるオール・インクルーシブなコンセプトは、子供連れファミリーや 親類一同が一緒に出掛ける家族旅行などに非常に便利。
しかもお値段も割引パッケージ等を利用すれば安く上がるとあって、客層は極めて庶民的であることは周知の事実。
パンデミックで休業に追い込まれる以前には、ノロウィルスが船内で広まったり、クルーズ船が停電になり トイレを流すことさえ出来ないまま2日以上船内に缶詰になるなどの災難に
見舞われる様子が報じられていましたが、そんな酷い目にあっても、次回のクルーズの無料チケットを貰えば機嫌を直すような人々が利用客のマジョリティ。
そのため大型クルーズ船は たとえ高額スウィートに滞在しても 大衆的な客層との接触が避けられないことから、富裕層が寄り付かないヴァケーションになってきましたが、
リッツ・カールトンを含むラグジュアリー・ホテルのクルーズは、通常のクルーズ船の10分の1以下の456人の乗客キャパシティ、それにほぼ同数のクルーが乗船。
船体の長さは190メートル。客室数は228で、全室がスウィート、全室にプライべート・バルコニー、もしくはテラスがあるというデザイン。
クルーズの日程は7〜10日間で、以下の通りポルトガル〜スペイン、スペイン〜イタリア、イタリア〜マルタ、マルタ〜ギリシャ、ギリシャ〜イタリア、イタリア〜ギリシャ、
イタリア一周が2コースという全8ルート。全ルートの旅程のうち1日は終日クルーズ、すなわち一度も陸地に上がることなく、船上で過ごす日が含まれています。
要するにホテル・クルーズは、大型船クルーズよりもコンパクトなサイズの船で、よりラグジュアリーな滞在とサービスをウリにするビジネスと言えますが、
船のサイズを小さ目にすることにより、世界屈指の富豪だけが所有できる巨大ヨットのクルージングに近い体験ができるとのことで、
終日クルーズの日を設けているのは、そんな巨大ヨットのクルージング気分を高めるためとも言われます。
リッツのクルーズ船には、大型船クルーズのようなジェット・コースターのアメニティなどはないものの、
シアター、インフィニティ・プール、ミーティング・ルーム、クライミング・ウォール、5軒のレストラン、6つのバー、
それ以外にスパ、複数のラウンジ、船が停泊している際にボートやウォーター・スキー等で出掛けられる マリーナ・テラスなど、
様々な施設やアメニティが楽しめるので、陸に上がらなくても十分に船上でのラグジュアリーが満喫できるようになっています。
客室は最低サイズのスウィートで、屋外バルコニーを含めない面積が28平方メートル。大きいサイズになると93平方メートルで、
デュプレックスの部屋も用意されています。
インテリアは、マリオット・グループの頂点のチェーンらしい、落ち着いたモダンでエレガントなスタイルで、
バスルームは全室ダブル・シンク。
高額の部屋になればなるほど、寝室からもリヴィングからもテラスやバルコニーにアクセス出来る インドア/アウトドアのレイアウト。
ウィンドウ・ウォールなので、インドアでも自然光を浴びながら常に海のビューが満喫できる客室は、
従来のクルーズ船とは全く別レベルのゴージャスな船旅体験を提供します。
ラグジュアリー・ホテルのホスピタリティお全面に打ち出すサービスの一環として、ウェルカム・シャンパン・ボトルはホテル側からのサービス。
既に2023年のクルーズは 予約がほぼ埋まりつつある状況で、現在は2024年の予約を取り始めているものの、
予想を上回るペースでブッキングが進んでいることが伝えられます。
気になるお値段は7日間のクルーズの最低料金が1人6800ドル。
もちろんこれには食事やドリンク、スパを含む船上でのサービスに対する料金は含まれていないので、
1日最低1500ドルが目安の滞在。
それだけに選ばれた客層がやって来ることもこのラグジュアリー・クルーズの魅力です。
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