Casinos Make You Spend More Money ...
ギャンブル中毒でなくても大衆が大金を投じる
罠としてデザインされた現代カジノの14のトリック

Published on 9/12/2024


日本でもカジノ建設が取り沙汰されているけれど、アメリカも賭博法が改正され、これまでギャンブルのメッカであったラスヴェガス、 ”東のヴェガス”と呼ばれたアトランティック・シティ以外でもカジノ建設計画が進んでいる最中で、タイムズ・スクエアにカジノが登場する日も近いと言われるのが現在。
アメリカでは、NYを含む複数の州でスポーツ・ギャンブルが合法化されたことがきっかけで、近年ギャンブルが急速に人気を高めており、推定で米国成人の約60%が 過去1年間に何等かのギャンブルを行ったと見込まれるのだった。
現在はオンラインでもギャンブルが出来るけれど、通常ギャンブルをしない人でも 旅先で、観光の一環のような軽い気持ちで足を踏み入れるのがカジノ。 そのカジノは、長年にわたって人々をギャンブルの沼に誘い込むゲートウェイの役割を果たし、一度限りと思って訪れる人々からも 有り金をむしり取るようにデザインされているのは一部の人々の間では既に知られてきたこと。 そのトリックを知って訪れた人々さえも見事に欺いてしまう様々な手法は心理学に深く根差したもので、一部は小売業界やレストラン業界でも活用されているもの。
ここではそんな人々に大金を叩かせるほど夢中にしてしまうカジノの14のトリックにフォーカスして、 「人間である限り、カジノから勝って帰ることが如何に難しいか」をご説明します。




★ 時計が無い
カジノに時計が無いのは非常に良く知られているカジノのギミック。 その理由は時間を忘れてギャンブルに集中してもらうためで、加えて昼も夜も同じ明るさのカジノの照明によって時間の感覚を麻痺させるのが目的。
今では待ち時間が生じる小売・サービス業でも、時計を壁に飾らない傾向が顕著になっている。

★ 窓がない
ギャンブルだけに集中させるために、時計同様にカジノで見当たらないのが窓。 人は窓の外の景色で時間を悟るのに加えて、仕事、家族、銀行残高等、カジノの外の世界を思い出すきっかけにもなるもの。 外界との遮断は長時間のギャンブルを促すための非常に有効な手段として認識されているのだった。

★ 派手なカーペット
カジノの床に必ずと言えるほど見られるのが派手で、複雑な模様のカーペット。これは人々を覚醒させ、心に刺激を与え、時に興奮や幸福感をもたして、ギャンブル意欲を高める効果があるとのこと。 また高級カジノの分厚いカーペットは、足の裏に感じる柔らかい感触が「自分は特別待遇を受けている」、「豊かで華やかな空間に居る」という意識をもたらし、派手なギャンブルに走らせるようで、 これは床を派手にペイントしただけでは決して得られない効果なのだった。

★ 実際のお金ではなくチップでプレイさせる
現金をカラフルなチップに替えた途端に、その価値感が曖昧になり、現金で賭けるよりも娯楽性を求めて大胆になるのが人間心理。昨今カジノで増えているデジタル・ゲームでは、予めお金をチャージしたカードがチップの役割を果たしており、現金でギャンブルをさせないことにより 巧みに金銭感覚を欺くことに成功しているのだった。




★ 照明と音
カジノは明るい照明や楽しそうな音で、華やかで楽しいパーティーのような雰囲気を演出。人々が「ここで自分も楽しみたい」という気持ちを抱くようにデザインされている場所。 人間は感覚的な刺激を受けるて、軽い興奮状態にあると通常よりもハイリスクな決断を下す傾向にあり、これこそカジノが望むところなのだった。

★ 室温を低温に保つ
カジノは一年中室温を低く保っており、たとえばラスベガスのMGMグランドのカジノは常に室温が摂氏18.3度。これは暑さや湿気を感じると人間はその場から出て行こうとするためで、窓が無く、締め切ったカジノのでは涼しさで室内の空気を新鮮に演出するのは非常に大切。また涼しさは覚醒効果に繋がり、ジャケット着用でギャンブルをする男性が増えるけれど、男性のマナーと金離れはジャケット着用時の方が確実に良くなるのだった。

★ 迷路のようなデザイン
曲がりくねった通路と戦略的に配置されたゲーム・セクションによって、意図的に迷路のようなレイアウトになっているのがカジノ。 トイレや出口に向かう途中で迷った人が、衝動的にルーレットやスロット・マシンをトライしたり、ポーカー・マシンでプレイするようにデザインされ、 それによって滞在時間とギャンブル収入の双方を増やしているのだった。

★ トイレを奥に設置する
カジノのトイレはフロアの奥まで入らなければ辿り着けない場所に設置されているのが常。これはトイレのために立ち寄った人々を、迷路のようなフロアで迷わせてギャンブルに誘い込むのが目的。 カジノには興味が無い人でも、トイレのためなら立ち寄ることを見越した戦略。

★無料ドリンク
多くのカジノで、賭け続けていれば無料で提供されるのがアルコール入りのドリンク。これはプレイヤーへのサービスというよりも、自制心と判断力を鈍らせるための常套手段。 酔っている自覚がないプレーヤーでも、アルコールの影響下では判断を誤り、惜しみなくお金を遣う傾向が高まるので、 カジノ側は無料で提供するアルコールを遥かに上回る多大な利益を得ているのだった。

★無料の客室や食事
無料ドリンクは誰にでも与えられる特典であるけれど、常連客やハイローラーに対してカジノが提供を惜しまないのがホテル宿泊やショーのチケット、食事等の無料特典。特にハイローラーに対しては豪華なスイート・ルーム、高額レストランでのディナー等に加えて、時にロレックスの時計等の高額ギフトを贈ったり、プライベート・ジェットによる送迎も行い、他のカジノに彼らを取られないように配慮するのが常。ハイローラーはワンハンドが100万ドルを超えることも珍しくないので、多額の無料特典を与えてもカジノ側は利益が上がり、ハイローラーはギャンブルに負けても 好待遇が楽しめる仕組み。




★ 時折小さな勝利を与える
日本のパチンコンの中毒性を説明する際に用いられるのがサルの精神を崩壊させる実験の話。
ボタンを押すと餌が必ず出てくる箱を用意すると、それに気付いたサルはボタンを押して餌を出すようになるが、空腹時以外はその箱には興味を示さない。 次にボタンを何度押しても全く餌が出て来ない箱を与えると、サルはすぐにその箱への興味を失ってしまう。 最後にボタンを押すと餌が出たり、出なかったりする箱を与えると、サルは時間が経過しても熱心にボタンを押し続け、やがて餌が出る確率を落とし、 労力に見合う餌が得られなくても、夢中でボタンを押し続けることになる。
すなわち勝ち負けが決まっている場合の興味は持続しないけれど、勝ち負けが分からず、時折収める勝利で報酬が得られると、 快楽やモチベーションをもたらす脳のドーパミン神経が刺激される結果、「もっと」という欲望が高まり、さらには快楽の記憶が期待感をもたらすことで、 判断力を失うほどの中毒性をもたらすというのがこの実験で、それこそがギャンブルのコンセプト。
したがってプレイヤーにランダムで小さな勝利を与え続けることはカジノ繁栄には不可欠。 「だんだんツキが巡って来た」と信じ込ませながら、多額のかけ金を奪っていくカジノは、ドラッグ同様に最も克服が難しい中毒と言えるのだった。

★ 稀な大勝利を盛大に祝う
スロットマシンのジャックポットで億円単位を稼ぐのは、ニュースでも報じられるくらいに稀にしか起こらないこと。 しかしカジノで長時間プレイを続ければ、フロアのどこかで大きな歓声が上がり、 勝利を派手に祝う様子に遭遇するもの。これはプレイヤーのモチベーションや競争心を高めて、更なるギャンブルに走らせる重要な要素。 誰もが負けていれば諦めて立ち去ることが出来ても、誰かが勝ったのを見せられると「次は自分の番」と希望的観測をするのが人間心理というもの。

★ ロイヤルティ・プログラムを提供する
カジノはプレイヤーが負けた場合でも、賭け金に応じてポイントが獲得できるロイヤルティ・プログラムを提供することで、損失を心理的に緩和するように配慮している。 プレイヤーはたとえ負け続けても、貯まったポイントで何等かの無料の恩恵を受けることで気を取り直し、再びギャンブルに取り組むのが常。 カジノ側が無料提供に費やすコストは、プレイヤーから巻き上げたお金に比べれば微々たるものなのだった。

★ 酸素を供給する
カジノで比較的近年になって行われるようになった戦略が、施設内の酸素レベルを高めてプレイヤーの覚醒を促すこと。フットボール・プレーヤーが長距離ダッシュをした後に ボンベで酸素を吸入することでリカバリーを早めるのと同様、カジノのフロアに加圧タンクから余分な酸素を送り込むことで、 プレイヤーはリフレッシュした覚醒状態になり、疲れを感じることなく、長時間のギャンブルが可能になるとのこと。
さらに一部のカジノでは酸素と共にフェロモンを放出。快適さと多幸感を促進することで、更にギャンブルを中毒性の高い物にしているのだった。


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