Jan Week 2, 2023
“New Year & New Workout”
ニュー・イヤー & ニュー・ワークアウト
私が昨年から感じてきたのが、年齢に伴ってエクササイズへの身体の反応が変わってきたということ。
エイジングによってウェイト・トレーニングをしても筋肉が付き難くなるのは仕方がないけれど、エクササイズを始めてからペースが上がって来るまでに時間が掛かるようになり、
パフォーマンスのピークタイムが短くなったのはまさに身体が老化したサイン。
またエクササイズ後も爽快感の持続が短く、暫くすると疲れや眠気が襲ってきて、リカバリー力が衰えているのも歴然。
それと共に、昨年中にはちょっとした動きで筋を痛めたことが数回あって、その都度不愉快な思いが2~3日続いたのも私に身体のエイジングを実感させたこと。
そのため今までと同じプログラムでワークアウトをしていてもダメだということを痛感していたのが過去数ヵ月。
でもエクササイズは習慣になっていればいるほど、ルーティーンを変えるのは難しいこと。
またワークアウトをいぜんより緩やかにするということは、それに連動して食生活も変えなければならないことを意味するけれど、
今の自分にとって何が正しく、効率が良いかが分からない手探り状態からのスタート。
唯一分かっているのは、もはや今の自分に合わないエクササイズを続ければ、そのせいで逆に老化が早まるということだけなのだった。
そもそも女性なら30歳から、男性は40歳から始まるのがサルコペニア。サルコペニアはタンパク質の摂取不足とエクササイズ不足で、筋肉が徐々に分解される現象。
女性の場合、メノポーズをきっかけに それが加速するのは容易に想像がつくところ。筋肉が落ちれば、代謝力も落ちるので、同じカロリーを摂取していても徐々に脂肪がつき易い体質になるのは自然の成り行き。
でもダイエットをして栄養価を落とせば、それによって骨粗しょう症のリスクが高まる訳で、痩せている女性ほど骨が弱く、それを支える筋肉も早く劣化するので、弱く、もろい身体になってしまうのだった。
すなわち骨と筋肉、そして脳のパフォーマンスを保つためにはしっかりした栄養補給は必須であるけれど、代謝力が落ちている分、食事はカロリーの割に栄養価が高いものを選ぶのはマスト。
ワークアウト・プログラムも筋肉と骨の弱まり、エナジー・レベル低下を考慮して安全と効率が最優先。アグレッシブに行うことでダイエットもワークアウトも大きな効果が上がったのは既に過去の話。
運動も食事もスケールダウンした状態で、出来る限りのハイパフォーマンスを目指さなければならない”ターニング・ポイント”を迎えたことを痛感したのが2023年の私なのだった。
そんな昨年中には、体力の衰えを自覚しつつ 「まだまだ走れる」と、1日12キロ前後を走る日が何日もあったけれど、実際に走っている時は楽しいし、別にキツイとも思わないので、とにかく走ってしまうのが常。
しかし今までと違うのは前述のように その後の疲労感と、リカバリー力のスローダウン。
そして身体が完全に回復する前に再びエクササイズをするので、疲れが徐々に蓄積され、そこに多忙による寝不足が数日続いた結果、昨年末に見舞われたのが
インフルエンザでもCOVIDでもない風邪の症状。これが意外に質が悪く、完全な回復に1週間以上を要したけれど、その時に痛感したのが、
現在の自分に合わせた食生活、エクササイズだけでなく、睡眠、仕事のペース、ストレス対策を含めたライフスタイル全般をしっかり構築し直す必要性なのだった。
ちなみに前述の”ターニング・ポイント”は生物的な見地では、細胞のターンオーバーがプラスではなく、マイナスに働くようになるポイント。
個人差はあるとは言え、人間は一定の年齢に達すると細胞のターンオーバーが若さの維持ではなく、余命が短くなる方に働いてしまうとのこと。
人体は老化のプロセスで 新しい細胞を生み出す力が衰える訳で、これは言ってみれば定年を迎えて給与が入って来なくなり、その後は年金と蓄えで生活するような状態。
そうなれば財産を温存しながら、出費を減らして、生活を小さく回した方が安定した暮らしが長く続けられる訳で、それと同じことが人体にもそのまま当てはまるのだった。
とは言っても生きている限りは楽しまなければ意味がないし、遣りたいことをやって、使命感や生き甲斐、目標を持つことは生きる上での意義。そして余計な人間関係は避けても、
社会と関り続け、大切な人を支えることは精神面の健康や活力のためにもマストと言えること。
健康的な長生きのプロセスでそれらを実践するためには、生活を小さく回すのではなく、有効に回すライフスタイルをデザインする必要があるのだった。
そんな新しいライフスタイルとワークアウトを考えて、昨年通うのを止めたのがジム。私はジムという場所はもともと決して好きではなかったけれど、雨天でもエクササイズをしようと思ったらジムに行くことになるし、
筋肉を保つためにはウェイト・トレーニングはマスト。そのため自分を叱咤激励しながら通っていたけれど、「気分が乗らないワークアウトをしても活性酸素が出るだけ」と考え、メンバーシップ更新を止めて見たところ、
最初こそは罪悪感に見舞われたものの、徐々に気分が軽くなったので、ジム通いが知らず知らずのうちにストレスになっていたことを改めて悟ったのだった。
ジム通いを止めたのにはもう1つの理由があって、それは筋肉を保つワークアウトはジムに行かなくても、自宅で出来ると実感したため。
パンデミック中、ジムがクローズしている時も、自宅のヨガマットの上でプッシュアップ(腕立て伏せ)を20回x5セットで腕の筋肉が保てていた訳で、
これからは自宅にあるダンベルやパワーバンドを併用しながら、自宅でのワークアウトで筋肉を保つ方が安全で効率が良いと考えたのだった。
ふと考えれば 私は20年近く前にサーティファイド・トレーナの資格を取得したことがあり、
自分でも忘れていたその技能を使ってプッシュアップ、スクワット、ラウンジ、ジャンピング・ジャックなど一通りのムーブメントを組み合わせたルーティーンをデザイン。
キツ過ぎるとストレスになるし、緩すぎると効果が無いので、今後まだまだ改良の余地があるとは言え、
自宅でのエクササイズを朝40分、夜の食後に10分と、2回に分けて毎日行うことにしたのだった。
その朝のルーティーンで活躍してくれるのがステップ。これを使って踏み台昇降のような動き5分間。さらにプッシュアップも足をステップに乗せて行うとかなりの運動量。
それとは別にフット・ウェイトも購入。パンツルックが多い昨今の私は、これを日常生活で着けて動くようして、知らず知らずのうちに消費カロリーが増えて足の筋肉が鍛えられるようにしたのだった。
自宅でのトレーニングは、上半身、下半身、コア(中核)に分けて行うことにして、週に1日はヨガとストレッチを集中的に行う日を設けているけれど、
朝晩のセッションは、タイマーをセットして 時間切れになったら潔く止めるのも新しい方針。
集中する癖をつけるために時間で区切るようにしたけれど、スマートフォンに気を取られたりすると直ぐに時間が経ってしまう上に、
中途半端に終わるのが嫌いな性格なので、ワークアウトを時間できっちり区切るのは思いのほか難しいのだった。
でもそれよりも私にとっても難しかったのは、走る量を減らすこと。
私は自分を優れたランナーとは思ったことは無いけれど、過去15年に渡って「走ることで自分の人生が良い方向に変わった」と思って来たので、
身体が「そろそろ走る距離を減らさないと」と言っていても、頭が聞き入れようとしない状態が続いていたのだった。
それでも「長距離をダラダラ走るのは効率が悪い」ことは、認識していたので、新たにスタートしたのが30秒か1分のダッシュ、3分の歩行を交互に行うHITTのスタイルのワークアウト。
これを実践するためにHITTタイマーのアプリをダウンロードしたけれど、エクササイズとしての効果は別として、同じペースで走り続ける方が、脳がいろいろな思考を巡らせるのは紛れもない事実。
なので慣れるまで続けてから、身体と精神面の効果の双方を検証しようと思っているのが現時点。私が走るのはもっぱらセントラル・パークであるけれど、
こちらもドア・トゥ・ドアで1時間以上を掛けないことが新ルール。これもしっかり守るのは非常に難しいのだった。
長くなってきたので食事については、また別の機会に書かせていただこうと思うけれど、
どんな食生活にするにしても、筋肉を保ちたいと思ったら摂取を控えるべきなのがアルコール。私が昨年アルコール摂取量を激減させた理由の1つも、アルコールがサルコペニアを促進する要因になるため。
現時点で新しいワークアウトに切り換えた効果として現れているのは血圧が若干下がって、低体温が改善されたこと。
血圧については、昨年から下の数値がコンスタントに80に達するようになっていて、それも私がエクササイズや食生活を見直そうと思った要因。
私は上の数値があまり高くないので、血圧の上下の差があまりに小さいことを不安に思っていたけれど、徐々に30程度のギャップが戻ってきたのが現在。
低体温については、私はそれまでの生涯ずっと高体温で、突如低体温になったのは11月、体調を崩す1ヵ月前のこと。私がかつて一度だけ低体温を経験したのは、
約10年前に10日間の断食と、その後10日間の流動食というデトックスを行った際。
その時は体重は落ちたものの、数カ月後には頭髪がどんどん抜けだしたのが忘れられない恐怖体験。
11月に低体温になってからは、ヒートテックの長袖タートルネックの上からフードを着用し、薄手のダウンベストを着用して走っても汗をかかず、
部屋でも寒さに震えていたけれど、今では暖房無しの室内で 時にTシャツで仕事が出来る生活に戻ったので、これは成果と言えると思うのだった。
いずれにしても、自分が良かれと思うことを押し付けてはいけないのは、他人だけでなく、自分の身体に対しても言えること。
私は自己愛が人一倍強いことを自負しているけれど、どんなに自分を思って、身体大切にしているつもりでいても、
思い込みやこだわりを押し付けることが 如何に自分のためにならないかを学んだのが新しいライフスタイル構築の過程。
それだけに これからは一定のメソッドにこだわらず、臨機応変かつフレキシブルに、本当に自分にとって最良の方法で、自分を活き活きさせることにフォーカスしていこうと考えているのだった。
執筆者プロフィール 秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。 |
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