Dec Week 4, 2023
“Favorite of the Year 2023”
2023年のフェイバリット


今回は2023年最後のフェイバリットのコラムとあって、当初予定していたのは今年買って良かった物とか、美味しかった物等をご紹介すること。 でもふと考えると、そうした物が私の2023年に与えたインパクトは微々たるもの。 そうした物質的なものよりも、2023年の私にとって成果、発見、ターニング・ポイントになったのは行動や新習慣であったので、 ここではそれらについて書かせていただこうと思います。
まず2023年の私に一番大きな変化を与えてくれた新習慣は、朝15分早く起きること。 それまで平日は午前7時に起床、週末は特に予定が無い限りは午前8時、時に9時に起きていたけれど、 今年の半ばから平日はアラームを午前6時45分にセット、そして週末は午前7時にセット。 最初のうちはあと15分眠っていたい誘惑に負けそうになる日もあったけれど、毎朝きちんと起きて、窓から朝日を拝むことを習慣づけたところ、 1日が驚くほど効率良く回るようになったのは自分でも驚くべき成果。
僅か15分とは言え、洗顔、歯磨きに始まって毎日のルーティーンが集中する朝の15分は、昼や夜の15分とは全く別物。 その15分でゆとりが持てると、人間の脳が1日で最も活発に機能する午前9時半~11時半が非常に効率良く使えるようになるのだった。 それを悟ってからは、極力午前9時半~11時半に大切な仕事や難しい仕事をするように心掛けたけれど、 朝の方が集中力と根気があるので、苦手意識がある物事でも所要時間が短くなり、ミスも少ないというメリットがもたらされたのだった。
週末も午前7時に起きるようにしたのは、その方が生活のリズムが保てるためで、睡眠が足りない場合は 朝寝坊をするよりも 昼寝で補うようにしたのが2023年。効率の良い生活のリズムを構築するには、朝の滑り出しが如何に大切であるかを痛感したのだった。




私の朝のルーティーンには、ヨガ&ストレッチ、メディテーション(瞑想)があるけれど、夏頃からやり方を変えたのが瞑想。 それまでは姿勢を正して座るポジションでのメディテーションであったけれど、そのポジションが腰、首、背中に負担を掛けていることを悟ってからは、 アーキパンクチャー・マットの上に横になった状態で、血行促進を兼ねた瞑想を行うスタイルに替えたのだった。 すると瞑想の後半で浅い眠りに落ちるケースが増えてしまい、タイマーをセットしているので寝過すことは無いものの、 完全に瞑想と睡眠のハイブリット状態。
しかしこれにはメリットが2つあって、1つ目はベッドから起き上がるのが辛い時に「瞑想の時に眠れる」と思うと身体が動いてくれること。 そしてもう1つは、瞑想と称した睡眠の際に、正夢や不思議な夢を見るケースが増えたこと。 よく「明け方に見た夢が正夢になる」と言われるけれど、人間は浅い眠りの時が 異次元の世界と最も波動が一致し易いコンディション。 30分の瞑想中、浅い睡眠状態になるのは後半の15分程度だと思うけれど、とにかく夢を見る確率が高く、 加えて目を覚ました途端にその夢を覚えている確率も高いのだった。 少し前には ゴールド価格について寝言を言いながら目を覚ましてしまい、我ながら驚いたけれど、 そのゴールド価格が正夢になるか別として、「瞑想と言いながら、眠ってしまうのも悪くない」と 考えるようになってからは、瞑想自体が楽しくなったのだった。




更に2023年の大きな収穫と言えたのは、オンラインの 投資クラブに入ったこと。
私は今まで投資というのは、1人で勉強して1人で行うプライベートなものだと思って来たけれど、投資クラブに入ってみると 1人でリサーチするより遥かに多くの情報にアクセスが出来る上に、いろいろな人達のチャート分析を見ることが出来て、 不特定多数の人達から学ぶことの大切さを実感してしまったのだった。 そして株でも、FXでも、クリプトカレンシーでも、人間心理が市場に大きく影響することを今更のように学んだのが2023年。
損もしたし、失敗もしたし、何度も自分の浅はかさや弱さを見せつけられた上に、自分が損をした時にクラブの他のメンバーが大儲けをしたポストを見て 焦りや情けなさも味わったけれど、それでも止めようと思わなかったのは 学ぶことがあまりに多過ぎたため。 自分が何も知らないで投資をしていたことを痛感したけれど、 加えて若い世代がゲーム感覚ながらも 真剣に将来を考えて投資を学ぶ様子、助け合って学ぼうとする姿に感心し、頼もしいとさえ思ったのだった。
その投資クラブの影響で、激減したのが私の2023年の酒量。「お酒を飲むと翌日のトレードに影響する」という理由で、真剣に投資を始めてから お酒を飲まなくなったという人は多いようで、私自身、もう何年も家では一滴もアルコールを飲まないようにしてきたけれど、2023年は更にアルコール摂取量が激減。 酒量が減ると、身体もどんどんお酒を受け付けなくなるので、「飲みたい」という願望が殆ど無くなってしまったけれど、 お陰で記憶力は絶好調。 私が自宅で飲むのを止めて、ソーシャル・ドリンカーに徹するようになった理由も、頭脳が衰えて、特に記憶が衰えて来たのを痛感したためだったけれど、 お酒さえ控えればダメージが食い止められることを実感しているのだった。




私が2023年の目標に掲げていたことの1つが時間を有効に使うこと。 そして生活効率を上げて、睡眠時間と読書の時間、そして入浴時間をしっかり確保することを目指したけれど、 このうち睡眠時間については、毎晩午後10時半にアラームをセットし、その時やっていたことをストップするようにしたことから 徐々に確保できるようになり、 入浴についても今ではタブレットでビデオを観ながらの入浴は一日の終わりの娯楽。
しかし、どうしても取れなかったのが読書の時間。私は読んだ内容を忘れない代わりに、読むスピードが極めて遅いので、 本を1冊読むのはかなり時間を要するタスク。でも前回のこのコーナーで書いた ウォルター・アイザックソン著の「イーロン・マスク」をオーディオ・ブックで聴いて以来、 「これならエクササイズや料理をしながらでも本が読める」と実感。 目で文字を読む方がしっかり内容が記憶に残るとは思うけれど、読み上げを聴く方が ビデオを観るよりは内容が遥かに頭に入るのは科学的にも立証されていること。 一冊の視聴時間はスピードに応じて3~4時間程度で、読書ならぬ聴書の習慣は、無理なく取り入れられるという点で非常に気に入っているのだった。
最後に、私にとって2023年のハイライトと言えたイベントは、一時帰国の際に伊勢神宮への参拝が実現したこと。 当時のコラムにも書いたけれど、お参りをして精神面に響くものがあまりに強かったので、あえて長居は無用と思って早く切り上げたのは大正解。 お陰で今も全てが記憶に鮮明で、ふと考えるとアメリカ生活を始めて以来、神社にお参りをしたことが無かった私にとって、お伊勢参りは まるで別世界に触れたような新鮮な体験。 いつもバタバタする一時帰国中であるけれど、「時間が無い」などと理由をつけて諦めず、行動を起こして本当に良かったと思っているのだった。

執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。
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