Sep. Week 4, 2022
“Helsa”
エルサ・ホスクのクロージング・ライン
私が過去に2回ほどSoHoで目撃したことがあるのが、スーパーモデルのエルサ・ホスク。
彼女はかつてレストラン、バルタザールの傍のロフトに夫と共に住んでいたので、SoHoをフラフラ歩いているのは決して珍しいことでは無かったよう。
カリフォルニアと違ってブロンドが少ないニューヨークでは、エルサ・ホスクのようなシリアスなブロンド、しかも長身で、
モデルの中でもスタイルが良いと言われるバランスの良いボディで颯爽と歩く姿はとにかく目立っていたけれど、
その存在感を更に強調していたのが彼女のストリート・ファッション。
私が目撃した時は、 1度目はパンツルック、2度目はミニスカートに厚底のフラット・ブーツという出で立ちで、
スタイリストの入れ知恵ではない、ナチュラルなセンスの良さを感じたのを覚えているのだった。
エルサ・ホスクは現在33歳でスウェーデン出身。2021年には長女を出産したばかり。
ヴィクトリアズ・シークレットのエンジェルとして知名度を高め、ディオール、ドルチェ&ガッバーナといったハイエンド・ブランドから、GuessやH&M といったカジュアルブランドまでの広告にも出演しているけれど、
写真上はそんなエルサ・ホスクのパーソナル・スタイル。
これだけスタイルが良い美貌の持ち主であれば、何を着ても映えるのは当たり前と言えば当たり前。
でも、同じくニューヨークで頻繁にスナップされるジジ&ベラ・ハディド等が、「この体型で着こなしていなかったら悲惨」というアウトフィットが多いのに対して、
エルサ・ホスクはベーシックなアイテムを カラー、シルエット共にバランス良く、シンプルに着こなすスタイル。
そのため普通体型の女性でも参考に出来るスタイリングやコーディネートが多く、
ファッションIQの高さを感じさせているのだった。
そのエルサ・ホスクがこの秋からオンライン・ファッション・ストアの FWRD、Revolve/リヴォルヴ とのパートナーシップでスタートしたのが、
クロージング・ライン、”Helsa / エルサ”。
エルサ・ホスク自身がデザイナー兼クリエイティブ・デザイナーを務めるエルサは、全48ピースから構成されるライン。
本人曰く、彼女のルーツであるスカンジナヴィアの自然、アート、ミニマリズム、アーキテクチャー、クラフトマンシップ、シンプリシティをスタイルで表現したというコレクションは
コーディネートやレイヤーでスタイリングに変化を付けられる シンプルなシルエットのベーシック・アイテムのラインナップ。
1点1点が同ラインの他のアイテムだけでなく、手持ちのアイテムとの様々なコーディネートが可能で、
モダンでありながら、レトロ・シックにも着こなせて、カジュアルでありながら エッジーなナイトアウト・スタイルとしてもコーディネートが可能になっているのだった。
このページの1番上の写真は、エルサ・ホスク自身がNYのストリートでエルサのアイテムを披露した際のスナップであるけれど、
バッグ、シューズ、ベルトといったアクセサリーを上手く使って、幅広い世代にアピールするエルサのスタイリング・エグザンプルを示しているのだった。
エルサのお値段は、マキシ・スカートが228ドル、ブランケット・コートが498ドル、カシミアのタートルネックが268ドル、
ドレスとしても着られるオーバーサイズ・シャツが228ドル、ミニ・スカートが178ドルで、
ZARAのようなファスト・ファッションよりは高額であるものの、デザイナー物よりも遥かに安価なプライス・レンジ。
エルサ・ホスク自身の着こなしに見られるように、ドレスアップの際も ドレスダウンの際も アクセサリーを上手く使ってスタイルをグレードアップするのがポイントになるけれど、
エルサのシンプルなコーディネート・ピースはミレニアル世代、ジェンZがユニフォーム的に好んでいるものであり、
その上の世代にとっては着回しが効くステイプル・ワードローブ。
でもこうしたアイテムは、ハンガーに吊られた状態でショップに並んでいても さほど魅力をアピールしないだけに、
FWRD、Revolveというオンライン・ショップで、モデルが着用するコーディネートでプレゼンテーションを行うことは、
正しい販売手法だと思うのだった。
執筆者プロフィール 秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。 |
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