May Week 3, 2022
“The Year of Bucket Hat”
デザイナー&アパレル・ブランドが
こぞって手掛けるベストセラー、バケットハット



バケット・ハットというと2018~2019年頃から、大きくカムバックしてきたスタイル。年々需要が伸び続けた結果、 2022年春夏シーズンにはデザイナー&アパレル・ブランドの殆どが手掛けるハットとなり、完売スタイルも多く、ファッション・グラビアやセレブのスナップに 最も見られるトレンドの目玉アイテム。 女性、男性を問わず好まれるスタイルでもあるのだった。
かく言う私は、少し前までは厳寒のニューヨークでも帽子を被らず、友達に驚かれるほど帽子が苦手。 私が唯一長年愛用してきたのはセントラル・パークをランニングする時に被るベースボール・キャップで、顔に当たる日光を防ぐ実用性だけを考えて、 毎年アディダスのセールで購入するのが常。でも一度マイアミの友人宅を訪ねた際に、友人に借りたバレンシアガのベースボール・キャップを被ったところ、 不思議に顔映りが良く感じられたことから、やはり顔の周りにつけるものにはある程度こだわった方が良いのだろうか?と思ったのを覚えているのだった。




バケット・ハットに話を戻せば、帽子が苦手な私が パンデミック中から突如愛用し始めたのがバケット・ハット。 というのはわざわざブローをするほどのオケージョンではない外出に便利なためで、2021年初夏にワクチン接種者のインドア・ダイニングが許可されるまでは、 外出と言えばもっぱらアウトドアのランチやブランチ。周囲を見回すと、誰もがカジュアルな服装で、その段階ではヘアサロンが未だ業務を再開していなかったこともあって、 ヘアカットもカラーも出来ず、ハイライトも入れられない女性の多くが 髪の毛の粗を隠す目的で帽子を被っていたのだった。 その時に「ベースボール・キャップよりも いろいろなスタイルに合わせられるなぁ…」と思って見ていたのがバケット・ハット。
やがてセレブ・スナップだけでなく、徐々に街中でもプラダ、グッチ、ディオール、ヴィトンといったブランドのバケット・ハットが目立つようになってきたので、 果たして幾らくらいするのだろうと思って調べたところ、プラダのものは約600~900ドル、ディオールのハットは700~1200ドル。 「見栄を張るのも楽じゃない!」と思ったけれど、昨年秋冬シーズンにはTikTok上に ”プラダ・バケット・ハット・チャレンジ” なるものが登場。 これは単に自分が持っているプラダのハットを見せびらかすだけのポスト。 昨今のファッションはスニーカーやフーディーなど、そしてバケット・ハットなど、人の目に留まるカジュアル・アイテムと ジュエリーにお金を掛けるのがスマート・マネー。
普通のアパレル・ブランドの価格帯を調べてみると、ルル・レモンやAlo Yogaなどの昨今の人気ブランドは70~100ドル程度で、大体これがスタンダード・プライス。 それよりランクが下がるブランドでは40ドル前後の物が登場しているけれど、やはりちょっとしたところで手が抜かれている製品が多いのだった。




ところで私が帽子が苦手だった理由の1つは、人に会っている時や室内では帽子を脱ぐべきという意識が強く、 髪の毛の乱れを気にするのが面倒であったため。 でも実際には世の中の人は、帽子を被っている日はずっと被っているもので、ブランチにやってきた友達なども ずっとベースボール・キャップやバケット・ハットを被ったまま。 正式な西洋のマナーでも靴を履いている場所では帽子を被っていてOK。
なので「帽子を被って出掛けたら、その日は脱がない」と意識を切り替えてからは、服にコーディネートし易いバケット・ハットが 大活躍で、すっかりカジュアルな外出時の必需品になってしまい、あまりに便利なので昨年には母にもプレゼントしたほど。 バケット・ハットを被る日は髪の毛についてはロウ・ポニーテールやハーフ・ポニーテールで手が抜けるけれど、 メークはきちんとするようにしていて、17歳のモデルでもない限りはスッピンでバケット・ハットを被って それなりのキレイさに見せるのはやはり不可能。
でもメークさえしていれば、ハットがいろいろな粗をカバーしてくるので一度自分のスタイルに取り込むと、時間や労力を大幅に節約してくれる有難いアクセサリーなのだった。




私は個人的にはバケット・ハットは、頭を覆う部分のシェイプが丸過ぎても、四角過ぎてもダメで、ツバは適度な幅が必要なので、この記事のトップの写真中央の プラダ(ピンクのハット)のスタイルは真っ先に却下してしまうタイプ。逆にツバが広過ぎるとフィッシング・キャップのように見えてしまうけれど、 基本的にバケット・ハットはベースボール・キャップと同様に、誰が何を被っても大体当たりはずれの無いデザインであるのは事実。
私は形が気に入ってオンラインで注文したものが「バッチリ似合った!」と喜んで愛用していたけれど、 少し前に強力な接着剤がテーブルにこぼれたせいで帽子がテーブルに張り付いてしまい、それを剥がすために使った薬品のせいですっかり変色してしまったのが 私の愛するバケット・ハット。 そこで仕方なく買い直すことにしたけれど、今回私が選んだのはリバーシブルのスタイル。 それまでは無地のブラックを愛用してきたけれど、「柄が入ったものもコーディネートし易そうだなぁ」と思っていたところ、 片側が無地、反対側が柄物のリバーシブルを見つけて一石二鳥と思って飛びついてしまったのだった。 加えてリバーシブルならば、片側にトラブルが起こっても裏返せば問題なく使い続けられるのは、苦い経験をした私には有難いコンセプトなのだった。

執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。
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