アデルのレジデンシー・キャンセルで一躍有名になった…
一流アーティストが歯向かえないステージ・デザイナー、
エスメラルダ・デルヴィンの圧巻の作品集
Published on 1/28/2022
1月21日にオープニングを迎える24時間前にキャンセルが発表されたのがラスヴェガスのシーザース・パレスで行われる予定だった
アデルのレジデンシー・コンサート。
アデル本人はその理由をスタッフがCOVID-19に感染してしまったことによる準備不足と説明しましたが、
その最大の要因になっていたと言われるのが、アデルとステージ・デザイナー、エスメラルダ・デルヴィン(50歳)との衝突。
業界スタンダードでもトップクラスのシーザース・パレスのビデオ・スクリーンのサイズに満足しなかったアデルに
無理難題を押し付けられて、その要求を跳ねのけたと言われるのがエスメラルダ・デルヴィン。そんな事が出来るのは
”エス”の愛称で知られるエスメラルダ・デルヴィンがステージ・デザインの世界では押しも押されもしない重鎮であるためで、
イギリス人である彼女は2015年にはOBE勲章をエリザベス女王に授与された人物。
ロンドン・オリンピック閉会式や、ロイヤル・オペラ・ハウスでのオペラ・プロダクションや、ロイヤル・バレエのセットを手掛ける一方で、
ローリング・ストーンズ、ペットショップ・ボーイズといったベテラン・ブリティッシュ・ロックバンド、
カニエ・ウエスト、ジェイZ、ビヨンセといったスーパースターのセットも手掛けるのが彼女。
その持ち味はビデオ・スクリーンを有効に用いて、観客を別世界に誘う大々的なセットで、
今回衝突したアデルも以前のコンサート・ツアーのセットを彼女に依頼していたほど。
アデルのレジデンシー・キャンセルが物議を醸して以来、一躍その名前が知れ渡ったのがエスメラルダ・デルヴィンで、
改めて彼女のこれまでの優秀なステージ・セットが注目を浴びるきっかけになっています。
ここではそんなエスメラルダ・デルヴィンが過去に手掛けたステージ・セットの数々をご紹介します。
マイリ―・サイラス
2014年に行われたバンガーズ・ワールド・アリーナ・ツアーのセット。マイリ―らしいキッチュで、アイキャッチ―、かつカラフルなセットに仕上がっています。
ロード、2017年コーチェラ・ステージ
世界最大のミュージック・フェスティバル、コーチェラでロードがヘッドライナーを務めた際のセット。
レディ・ガガ、モンスター・ボール US ツアー
2009年、2010年にかけて行われたツアーのセットで、ビデオスクリーンとハイテク・ライティングをふんだんに生かした総合的なプロダクション。
U2 エクスペリエンス + イノセンス・ツアー
U2が2018年に行ったツアーのセット。ステージの花道に沿って巨大な透明スクリーンを設置し画像を映し出す新しい試み。
ロンドン・オリンピック 閉会式
2012年のロンドン・オリンピック閉会式の、陸上トラックの中に描かれたユニオン・ジャックを手掛けたのがエスメラルダ・デルヴィン。
ルイ・ヴィトン、ランウェイ & エキジビジョン
ルイ・ヴィトンはエスメラルダ・デルヴィンに複数のシーズンのランウェイ・ショー、エキジビジョンのセット、会場の外観のプレゼンテーションも任せてきたブランド。
彼女の持ち味であるビデオ・スクリーンや鏡を用いたモダンかつ大がかりなセットをクリエイトしていますが、ファッション・ブランドで彼女のフィーが支払えるのは
ルイ・ヴィトンであるからこそ。
オペラ 「ドン・ジョヴァンニ」
ロンドンのロイヤル・オペラ・ハウスでモーツァルト作曲のオペラが上演された際の革新的にモダンなセット。
MTVヨーロッパ ビデオ・ミュージック・アワード・ステージ
2010年のアワードのステージ・セット。客席の中にも大きなキューブ状のアイランド・ステージが設けられていました。
ウィークエンド・コンサート・ステージ
写真上段は、ウィークエンドがコーチェラのヘッドライナーを務めた際のセット。下段はアリーナ・ツアーのセットで宇宙船のようなオブジェには
タラップで登って行けるようになっていました。
ローリング・ストーンズ ロンドン・ハイドパーク・コンサートアー
屋外とあって複数のビデオ・スクリーンが有効に使われていますが、パークというセッティングを生かしたステージ・プレゼンテーション、
夕暮れ前からスタートする時間を計算したライティングもお見事。
MUSE ザ・レジスタンス・ツアー
MUSEの2年間を掛けたワールド・ツアーのためにデザインされたのは3つのタワー・ビルディングのようなオブジェが
様々なイルミネーションを生み出すマルチストラクチャーのセット。
カニエ・ウエスト・ツアー
2013年に行われたカニエ・ウエストのYeezus USツアーのステージ。カニエを神格化するように計算されたステージが話題に。
TAKE THAT / テイク・ザット
テイク・ザットのプログレス・スタジアム・ツアー&サーカス・スタジアム・ツアーは巨大な人体オブジェをステージ背後とステージ中央に位置し、
ステージ上の人体がロボットのように セットに応じてポジションを変える演出。
カニエ・ウエスト & ジェイ Z コンサート
カニエとジェイZのウォッチ・ザ・スローン・アリーナ・ツアーのセットは、2人のスーパースターのための 2つの巨大なキューブ状ステージをビデオ・スクリーンにして、
レーザーライトでエキサイトメントと迫力を演出したもの。
SEED プレゼンテーション
アブダビで行われたSEEDのプレゼンテーションは、中央のキューブ状のビデオ・スクリーン、それを取り囲む水面の反射を利用した
圧巻のライティングや花火で壮大なスペクタクルを実現。
ビヨンセ・フォーメーション・ツアー
2016年のビヨンセのフォーメーション・ツアーのセットは、ステージ上の3つの巨大な直方体のビデオ・スクリーンが動いたり、回転したりしながら、
1つのステージ・セットとは思えないビジュアル・エフェクトを生み出した 超高額プレゼンテーション。
アデル・コンサート
ラスヴェガスのレジデンシ―を担当する前にエスメラルダ・デルヴィンがアデルのためにクリエイトした2つのセット。
上段がNYのラジオ・シティでのコンサートのセット。下段が5年前に行われた前回のアデルのツアーのセット。
噂ではアデルは今回彼女がデザインしたセットに不満であったと言われ、2人が怒鳴り合いの口論をしたと言われるのは事実。
しかしアデルはスポーツエージェントであるボーイフレンドを
自分のエージェントにしたがっていたとのことで、そんなアデル側のエゴも今回のキャンセルに絡んでいるとの噂が飛び交っています。
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