メインストリーム・メディアが首をかしげる…、
アメリカン・ヴォーグ誌選出の2021年ベスト・ドレッサー12人
Published on 1/14/2022
年末にさほど注目を浴びずに発表されたのがアメリカン・ヴォーグ誌が選んだ2021年のベスト・ドレッサー。
このリストに着眼したメディアは僅かでしたが、
その僅かなメディアがこぞって疑問を唱えたのがその顔ぶれ。
以下で その12人と 2021年にそのベスト・ドレッサー達が見せたファッションをご紹介していますが、
その殆どが女優陣。それだけに、スナップされるファッションはスタイリストが選んだもので、
本人のセンスではないケースが殆ど。
このリストにメディアが首を傾げたのは、必ずしも選ばれた顔ぶれがベスト・ドレッサーとは呼べないことに加えて、どういった基準で選ばれたかが全く定かでないため。
一部ではヴォーグという存在そのものが世の中のファッションからズレてきたという声も聞かれます。
また近年WOKEカルチャーが高まり、それまでプラスサイズや
マイノリティ人種のモデルやセレブを冷遇してきたヴォーグ編集長、アナ・ウィンターへの批判が高まったことを受けて、
昨今、必要以上にWOKEカルチャー、ポリティカリー・コレクトネスを貫いているのがヴォーグ。
このリストはそんな姿勢を反映する構成にもなっています。
Dua Lipa / デュア・リパ
2021年にはヴェルサーチのスポークス・モデルを務め、ランウェイにも登場していたデュア・リパ。
2021年にはそれ以外にも様々なイベントやステージに登場した彼女だけに、時に理解不明なアウトフィットがあったものの、2021年の音楽業界のベスト・ドレッサーであるのは事実。
Rihanna / リアーナ
LVMHとのフェンティのファッション・ラインの展開が中止になってしまったことから、デザイナー・ファッションの着用にカムバックしたリアーナ。
彼女の場合、ファッションよりも これでもかのジュエリー・コーディネートで常に高額を纏っているという印象です。
Zendaya / ゼンダイア
2021年はオスカーのプレゼンターとして登場した他、映画「デューン」、「スパイダーマン」のプレミアやプロモーションで華麗で、時に奇抜なファッションを披露していたゼンダイア。
モデルのようなスリムでバランスの良い体型に加えて、現在ハリウッドでNo.1のスタイリスト、ロウ・ローチがレッド・カーペット・ファッションを担当。
ゼンダイアの場合、スタイリストの言いなりになるのではなく、自分の意見や好みでスタイリストとアウトフィットを決めているという点でもベスト・ドレッサーと呼ぶにふさわしい存在です。
Gemma Chan / ジェマ・チャン
アジア人で唯一ランクインしたジェマ・チャンは、ハリウッドでもベスト・ドレッサーとして知られて久しい存在。
WOKEカルチャーを重んじる人種のバランスを抜きにしても、彼女が選ばれるのは誰も文句を言わないのが事実です。
Lady Gaga / レディ・ガガ
シアトリカルなスタイルが多いレディ・ガガは、ダイナミックで奇抜なスタイルが その年のワースト・アウトフィットにも選ばれことが珍しくない存在。
小柄ながら 信じられない高さのプラットフォーム・ヒールでスタイルのバランスを保つところと、飛び抜けた遊び心やクリエイティビティ、人々の期待に応えるファッションを見せるという点では高く評価されるべき存在。
Kate Moss / ケイト・モス
90年代にモデルとして一躍脚光を浴びて以来、ずっと独得のファッション・センスを貫いてきたのがケイト・モス。
タイムレスではあるものの、時代に関わらず同じスタイルを貫いているだけにべスト・ドレッサーというより
ワントリック・ドレッサーという印象です。
Angelina Jolie / アンジェリーナ・ジョリー
2021年は映画「エターナル」のプレミアでレッド・カーペット・ファッションを披露していたアンジェリーナ・ジョリーは、
プレミアに子供達を連れて登場し、ザハラやシローに自分が以前着用したドレスをリフォーム&リサイクルして着用させていたのが話題になっていました。
ですが本人のファッションはレッド・カーペットでも、プライベートでも特筆すべきアウトフィットが無かったと言われます。
Cynthia Erivo / シンシア・エルヴォ
ゼンダイアと同じロウ・ローチがスタイリストを務めるシンシア・エルヴォは2019年の授賞式シーズン以来、
他の女優陣では着こなせないユニークなファッションを披露してきた存在。
彼女のパーソナル・スタイルはカジュアル一辺倒であるものの、レッド・カーペット上のエンターテイメント性は彼女をベスト・ドレサーと呼ぶにふさわしいもの。
Isabelle Huppert / イザベル・ユペール
フランスが世界に誇る女優、イザベル・ユペールはWOKEカルチャーのアンチ・エイジズムという視点から選ばれたと思しきベスト・ドレッサー。
2021年はカンヌ映画祭の審査員として映画祭の期間中様々なファッションを披露し、それがベスト・ドレッサーに選ばれた要因になっていますが、
彼女自身のパーソナル・スタイルがベスト・ドレッサーと言えるかは大きな疑問。
Zoe Kravitz / ゾーイ・クラヴィッツ
独得なファッションを小柄なボディで着こなすゾーイ・クラヴィッツ。彼女の場合、スタイリッシュに見える時とあまりに普通に見える時が入り混じっていて、
何を基準に評価するべきが非常に難しい存在。
Nicola Coughlan / ニコーラ・コクラン
ネットフリックスのシリーズ「ブリジャートン」の出演であっという間に知名度を上げた二コーラ・コクラン。
ヴォーグのWOKEカルチャーを反映して、プラスサイズのベスト・ドレッサーとして登場したのが彼女。
ボリュームがあるシルエットやヴィヴィッドなカラー、エッジーなスタイルを堂々と着こなし、ファッションを楽しむ姿勢はお見事。
ですがファン・ドレッサーであってもベスト・ドレッサーであるかはまた別の話。
Jourdan Dunn / ジョーダン・ダン
マネキンよりスタイルが良いと言われるモデルのジョーダン・ダンは、ランウェイ・ショーのフロント・ローに姿を見せる時も、
パーティーを含む様々なイベントに登場する際も、デザイナーから提供された作品を完璧に着こなしてパパラッツィのフラッシュを浴びる存在。
そのため彼女自身のファッションのテイストが全く分からないのに加えて、モデルの中でもベスト・ボディの彼女であれば
何を着ても様になってしまうので、彼女をベスト・ドレッサーと呼んでしまうことによって、本来ベスト・ドレッサーに問われるべきファッション・センスや着こなしの妙が希薄になってしまうことが指摘されます。
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