New Steak House With Unlimited French Fries,
Super Popluler ”Skirt Steak”

均一メニュー、フライ食べ放題、簡素なインテリアで、
厳寒のNYで行列が出来る ”スカート・ステーキ”

Published on 2/4/2022


NYでは1月に入ってから ホリデイシーズンの旅行者が去り、厳寒の日が続くとあって多くのレストランがデリバリー・オーダーが増えることはあっても、 来店客が激減している状況。 そんな中、唯一行列が出来ているレストランがここにご紹介する新しいコンセプトのステーキ・ハウス
フード・レビューワーが、「ここでステーキを味わったらピーター・ルーガーやウルフガングにはバカらしくて行けなくなる」と絶賛する同店は ステーキ、サラダ、フライド・ポテトが28ドル、しかもポテトはアンリミテッドで食べ放題というNYでは有り得ない大バーゲンを提供するレストラン。 同店を手掛けているのは、BLTステーキのチェーンをクリエイトし その後売却したシェフ、ローレン・トルノーで、 現在はイタリアン・レストランの”L’Amico / ラミコ”、バーラウンジ”Vine / ヴァイン”を経営する傍ら、全米のレストランのコンサルタントを務める人物。
その彼が、パンデミック以降苦戦を強いられるレストラン業界の現状を考慮し、 これまでの彼の経営姿勢とは全く異なる 経営側にとっても、来店客にとってもコストパフォーマンス抜群のコンセプトとして手掛けたのが、”スカート・ステーキ”。 その試みは極めて快調な滑り出しを見せているのだった。






スカート・ステーキは前述のようにステーキ、サラダ、食べ放題のフライド・ポテトが28ドルという均一メニューのレストラン。 ベテラン・シェフであるトルノーは それをセット価格やプリフィックス・メニューとしてではなく、「誰にでもアピールする1つのメニューだけを出すレストラン」の 目玉として開発しているのだった。
店名にもなっているスカート・ステーキは、牛肉の部位の中ではリブアイやフィレミニオンなどに比べば遥かに安価ながらも 味わいがあり、柔らかい中にも適度な歯ごたえがあって、肉料理が下手な人でも無難に調理が出来ると言われるパーツ。 当初はスカートステーキをアメリカの著名な食肉業者ニーマン・ランチからのみ仕入れていたものの、現在では供給が追い付かなくなったことから、ニーマン・ランチと 同等のクォリティというスタンダードで仕入れているとのこと。 その肉をアジア系のタレで軽くマリネして、グリルで程よく焼き上げたのが同店のステーキ。サイドについてくるペッパーコーン・ベルネーゼ・ソースにディップして 味の変化が楽しめるのも醍醐味で、 NYポスト紙のフード・クリティックは「NYで最も味わい深いステーキ」と賞賛したほど。ちなみにソースはフライド・ポテトをディップして味わうにも最適。
そのフライド・ポテトはスタッフがリクエストに応じて何度でもリフィルしてくれるシステム。サラダはフライとステーキの脂っぽさと上手くバランスが取れた エシャロット・ヴィネグレットのあっさりしたドレッシングで、新鮮なレタスがしっかり使われたもの。
要するに均一メニューのために、安価でも確実に美味しい食材を選び、それを「一流シェフの簡単料理」的に 余計な工程など無しにシンプルに料理し、 ベスト・コンディションでサーヴィングしているのが同店。 これはレストラン経営の鏡とも言えるコンセプトで、無駄になる食材が最小限に抑えられるだけでなく、 仕込みの手間や調理時間がミニマムに抑えられているのだった。







さらに同店内は ホテルの1階にあるレストランとは思えないほど簡素なインテリア。壁は木材剥き出しで、建設中のレストランで食事をしているようなセッティング。 テーブルやダイニング・チェアにも全くお金が掛かっていない様子が見て取れるだけでなく、食器も安価なのが使われているのは明らか。 ナプキンは布であるけれど、テーブルクロスは無しで、来店客が入れ替わる度にペーパーカバーが取り換えられるシステム。 コストを落としているのは明らかでも、無駄が無いだけで、決してケチっているというイメージではないのが同店の優秀なところ。

均一メニューだけを出しているとは言え、日によっては、アメリカン和牛のステーキや、ホウレンソウのソテー、ガーリック・ブレッド、カリフラワー・グラタンが 追加料金でメニューに加わることがあるのが同店。 ドリンクはワインが1杯13〜16ドル、ビールは10ドル、カクテルは一律14ドルで、 カジュアル・レストランのスタンダートと言えるお値段。チョイスは限られているものの、きちんとセレクトされているのだった。






均一メニューと共に同店名物になっているデザートは全て9ドル。 カートで運ばれてきて、目の前でセレクトするというやり方は来店客がデザートを選ぶ時間が短くなるだけでなく、 デザートを食べない来店客のテーブルの回転が速くなる利点があると言われるもの。 そのデザートはクリーム・カスタード(プリン)やパリ・ブレストといった定番を除いては時々ラインナップが変わるものの、全てが視覚的にアピールするので、 「次に来た時はこれにしよう」というリピートのモチベーションの一端になっているもの。
昨今の高額レストランの中には、メニューを見てデザートを選ぶと 見た目がモダンなだけで 美味しくもなければ、食べたいとも思わないデザートが出て来て、それに20ドルを支払うような ナンセンスな状況が少なくないけれど、同店の場合、見るからに美味しそうなデザートを乗せたカートが店内を動き回るお陰で、 デザートをオーダーする来店客が多いのはもちろん、それを美味しく味わうために アンリミテッドで食べられるフライをほどほどに控える来店客も多いのだった。


スカート・ステーキは予約を取らない上に、常に行列が出来ていることもあり、1人で訪れた来店客は中央にある大きなバーカウンターに座るのがルール。 また来店客は全員が28ドルのステーキ・メニューをオーダーするのもルールで、2人が1人分をシェアすることは出来ないシステム。 アメリカでは主に女性客が アペタイザーはそれぞれにオーダーしてもメインを友達とシェアするなど、来店客数分の売上が上がらないケースは少なくないのが実情。 しかもそうした女性客に限って店に居座る時間が長いことから レストラン業界では長きに渡って嫌われてきたのが女性客のテーブル。 しかし来店客全員が均一メニューをオーダーし、テーブルの回転率を早める工夫が随所に見られる同店は、 例えフライをアンリミテッドでサービングしても十分利益が上がると言われるビジネス・モデル。
まだまだレストラン業界の苦戦が予測されるご時世なだけに、 同店のようなコスト・コンシャスな経営姿勢は 今後益々重視されることが見込まれるのだった。

Skirt Steak
835 Sixth Ave. New York, NY 10001


Shopping
home
jewelry beauty ヘルス Fショップ 購入代行

Q & Adv, Yoko Akiyama, 秋山曜子, キャッチ・オブ・ザ・ウィーク, ニューヨーク, NY時事トレンド情報, Yoko Akiyama, 秋山曜子, エスメラルダ・デルヴィンのステージセット

★ Q&ADV 書籍出版のお知らせ ★


当社に頂戴した商品のレビュー、コーナーへのご感想、Q&ADVへのご相談を含む 全てのEメールは、 匿名にて当社のコンテンツ(コラムや 当社が関わる雑誌記事等の出版物)として使用される場合がございます。 掲載をご希望でない場合は、メールにその旨ご記入をお願いいたします。 Q&ADVのご相談については掲載を前提に頂いたものと自動的に判断されます。 掲載されない形でのご相談はプライベート・セッションへのお申込みをお勧めいたします。 一度掲載されたコンテンツは、当社の編集作業を経た当社がコピーライトを所有するコンテンツと見なされますので、 その使用に関するクレームへの対応はご遠慮させて頂きます。
Copyright © Yoko Akiyama & Cube New York Inc. 2022.

PAGE TOP