Aug. Week 1, 2022
There is an Answer in Your Own Writing...
文は人となり、頂いた相談文の中に答えが…


いつも楽しみに拝読しております
Q&ADVへ 私の相談をさせていただきたいと存じます
大学卒業後ずっと会計畑で働いておりましたが、決算時など時期によって業務量も多く 深夜近くまでの残業にも体力的なきつさを感じ始めたため、今の会社で 会計の中の一部分を担当するスタッフポジションに縁をいただき、これまでのハードだった環境ではなく 私生活も楽しめる状況になり、正確に処理できる自分の強みを活かせる仕事内容で いちスタッフというポジションに対する収入も多いほうで満足できる転職をすることができ、5年目になりました
ですが職場の人たちは非常に高学歴で語学も堪能で、ふつうの日本の大学を卒業した私がよく採用されたとも思いますが 会社の中では下に見られ、仕事内容も会計の中の一担当者というポジションのため ボーナスの査定がいつもほかの人よりも低いです
今回も平均3か月支給されたのですが 私は1.5か月だったことがわかり、 仕事内容に対しての収入は高いのだし、仕事にも余裕があるのでボーナスは気にしなくていいではないかと思う反面、 学歴が高くて語学ができて役職は高くても全く仕事をせず 実際そういう人たちにほかの社員からクレームが出たことがありますが人事も何もうごかないといった状況でもあり、 入社当時まだ設立して数年の若い会社だったため、まだきちんと組織だっていない部分があるとは聞いており 実際部署ごとの業務分けの境は今ほどできあがっていなかったため、昔はなんでも経理がやってあげていたことから 「昔は経理がやっていたけれども 今は組織が確立されたので その業務はそちらでやってください」、といっても なんで経理がやってくれないの? 前はやってくれたでしょ?という人々が非常に多い土台があり 人にやってもらって楽をしようとする人がとても多い職場で、 社内の期日を守らない人も非常に多く、メールは読んでいないので期日を知りませんでしたとか 感覚を疑うような言葉を発する人が非常に多い職場の中で そういう人たちが高額なボーナスをもらっているということに会社に対して非常に怒りを感じるという両方の自分がいます

ボーナスの理不尽さは今に始まったことではなく 会社が上場し非常に忙しい時期があり私もみなと一丸となって仕事を達成したのですが 上場記念ボーナスというものが支給され、わたしはその対象に入っていませんでした
聞くところによると社長の気に入った人に支給したとのことで、支給されない人のほうが少ない状況でした

環境は整っていましたが人の雰囲気はよいほうではなく、いじめや好き嫌いで承認を後回しにする担当者がいたり、 他部署なのに明らかにこれは私に押し付けてきているな、、、という業務もはじめは本当に善意で引き受けていたのですが 一度引き受けるとそれ以降私の担当にされ、自分の仕事外の業務が増えていく一方になってしまったため 線を引くことにし、他の部署からの理不尽な依頼は受けない、期日を守らない人に対してはきちんと伝えるという姿勢に変えました
元々、仕事の内容に対しては収入がよくて満足だったのに、私の収入は社内でも一番低いほうで仕事をせずにいる人たちが 信じられない額をもらっていることと自分のボーナスが低かったことを機に 満足から怒りに変わってしまいました

ハラスメントに値するような言葉遣いや態度はしていませんが、 私の上司自体が、大幅に期日を守らない人に対して忠告をせずになんでも引き受けてしまう人なので 守らない人が増える一方になってしまい 最終的にはわたしが全て調整していかないとならなくなることが毎月あるので ある時から期日に対して以前よりもはっきりと伝えるようにしたので 正論なのだけどとっつきにくい、扱いづらい人になっているだろうと自分でも思います
仕事はミスしたこともなく期日に間に合わせられなかったこともないので指摘を受けたことはないですが 査定は自己評価ではなく他者評価なので、仕事はきちんとこなしていても とっつきにくいような人間がボーナス査定がよくなることはないのだろうなとも 思いますので私のそういう部分も査定の低さに含まれているのかもしれません
ですが過去に本当にみなと協力して仕事をこなしていたけれども、 選ばずに色々率先して仕事をしていましたが 何度も自分は支給の対象外だったということが 態度をやわらかくしても損をするだけで やってあげるだけ馬鹿をみる、という考えに行きついてしまっていて 怒りも収まらない、、といった悪循環になっています

愚痴や怒りばかりを述べていてもきりがなくて突破口も見つからないし、 最終的にはどうするかは自分で決断していくこと、ということはわかっていて これまで転職をしたときのように、転職しよう、と心が決まっていればもう動いていると思うので ボーナスの怒りを除けば、私も5年目になり自分の仕事は自分のペースで進められ 意地悪な人たちも辞めていき 理不尽に巻き込まれることも減りまだここで働いてもいいなあ、と思う気持ちが 多くあるのだと思います
なのでやめるべきか残るべきかでの悩み相談というよりも まだ続けてもいいと思うのだけれども 一方で怒りとの折り合いがうまくつけられないでいることが悩みなのだと思います

働かない人がずっと存在している、そして働かない人たちが高額な収入を得ていることも理不尽さと怒りは感じますが どちらかというと自分がボーナスが低かったことのほうにすごく怒りを感じているように思います
会社に利益をもたらす仕事ではないですが、 やはり海外本社とのやり取りが多い方のほうが重要な活躍をしている風潮があり、 同じチーム内でも国際税務関連を担当している方や 決算申告が間に合わなくても忙しくて間に合わなくて延滞金がかかっても アピールが上手な人は非常に評価されていますが、ミスもせず一人で全てこなしていても私の仕事は大した難しさはないと 思われていると思いますが 正確さや細かいところでの気配りが見えないところで役に立っていると思いますし、 自分ではやはり自分の仕事をきちんとこなしているという自負もあるからだと思います (上司にそう伝えたこともあります)
そして、上司に気に入られて厚待遇をうけるような器用さも持っていませんし、私の仕事はもともと下の扱いなため待遇が上がることはないと思います
何度も上司の不注意をおおごとになるまえにサポートしましたし、何か事を起こすには細かい事務手続きが必要だということを知らない上司なので、 その細かいサポートで不備なくことが進んでいることも全くわからない上司なので なんだか自分が損得勘定にとてもとらわれているような気もしなくもないですが、 そういうサポートももうやめようと思います

社内の人のボーナスと比べずに自分だけの範囲で判断するなら、これまでの中で願ったような仕事と収入のバランスで今も同じです
なので会社とはいい意味で一線を引いてたんたんと続けていけばと思う自分と、会社に対しての強い怒り、恨みも大きくなる一方な自分が 共存しているような状況ですが、今は怒りと恨みのほうが強いと思います
プライべートセッションも考えたのですが、まずはQ&ADVのほうに相談してみようと思いますので ご掲載、内容の編集などしていただいてまったく構いません
長文失礼いたしました
どうぞよろしくお願い申し上げます

- S -


読点はあっても、句点の無い文章にお気付きでしょうか?


このコーナーでは ご相談文に表れたお人柄を読者の皆さんに感じて頂くために、個人情報が含まれる記載の削除、 誤字・脱字の訂正、不明瞭な表現の簡略化、かなの漢字変換を除いては、出来る限りオリジナルのご相談文に忠実に掲載させて頂くポリシーにしています。 今回Sさんから頂戴したご相談文は、読み易くするために改行を入れた以外は あえてオリジナルをそのままに掲載をさせて頂きました。

2968文字という長文のご相談を頂いたのですが、上の小見出しにもあります通り 読点は打たれているのですが、本来20箇所以上打たれていて然るべき句点が一つも見当たりません。
そして私に何についてご相談して頂いたのかも 明確でないご相談文になっていました。 「やめるべきか残るべきかでの悩み相談というよりも まだ続けてもいいと思うのだけれども 一方で怒りとの折り合いがうまくつけられないでいることが悩みなのだと思います」と書いていらしたので、 会社には不満はあっても お辞めになる意志が無いことは理解できます。他の社員がさほど働かずして高額給与やボーナスを受け取る様子に怒りとフラストレーションを感じていらっしゃることも 複数回に渡る記述で理解しております。 ですが仕事を続けて行こうと思いながらも、職場への不満や怒りが収まらないSさんが、私に何をご相談されているのかが記載されないまま終わっています。 お尋ねなのは気持ちの整理の仕方でしょうか。それとも不器用でも徐々に給与が上がるようなアピールが出来ないか?とお尋ねなのでしょうか。

それ以外にも文章について気付いたことを申し上げると、他のご相談者に比べると 簡単な文字が漢字に変換されていないところが目につきましたが、 これだけの長文にも関わらず、一部分かりにくい表現があった以外は誤字、脱字は一文字もありませんでした。 全体的に1文が非常に長く、内容が一定方向に向かい出してから逆戻りし、その後違う内容に移行するスタイルが目立っています。
その結果、せっかくご相談下さった文章に大変失礼なのですが、 ダラダラ書き綴った印象を与える読み難い文章で、肝心な要点が伝わらず、 読んでいるうちに気が散ってしまったのが正直なところです。

あえて苦言を呈させて頂いたのは、「文は人となり」という言葉がある通り、文章に表れる特徴は人間性やその行動に必ず現れていると判断するからです。 Sさんが会計業務をされていることを承知で、あえて文章について指摘させて頂くのは失礼かつ、無意味のように思われるかもしれませんが、 文章は まず会話に反映されます。 簡潔で分かり易い文章を書く人は、主張も分かり易く簡潔です。そういう話し方やEメールでコミュニケートする人は 自分が望む対応や成果が得易いだけでなく、 好感を持たれ、信頼される傾向にあります。
頂いたご相談文から、Sさんの真面目で、正義感の強いお人柄は理解できますし、お仕事も正確に きちんとされていらっしゃることはよく分かります。 ですがSさんがこの文章と同じようにお仕事をされているとすれば、一緒に働く方達は 「ミスはしないけれど、繰り返しや無駄が多い」、「言っている事の要点が分かりにくい」、「物事や仕事の区切りが明確でない(完結性が無い)」、 「業務態度や仕事ぶりの歯切れが悪い」 といった印象を持っていらしても不思議ではないと思います。 そしてこうした印象は、Sさんの実力とは無関係に 「ミスはしないし、時々は助けてはくれるけれど、仕事が出来る訳ではない」、「時間を無駄にして、要領が悪い」という先入観を与えてしまいます。 周囲がエリート揃いの職場であれば 尚のこと、じっくり仕事ぶりを見極めるよりも、先入観で決めてかかる傾向が強いと思います。

頂いたご相談文は4分の1の文章量で、短く句読点がある文章、そして最後にご相談の主旨を明確にして頂いた方が、 内容がストレートに伝わるだけでなく、このコーナーを読んで下さる読者が思い描くSさんの好印象にも繋がっていたと思います。 そういう文章を書くにはまず 主旨や主張を明確にした上で、それが伝わるデータや事実を絞り込んで、それらを筋道を立てて、短く、分かり易く 記述する必要があります。 「分かってもらうためには、分かり易く説明する」のはいわば常識ですが、文章というのは手紙でも、レポートでも読む側への配慮が その効力を決めるということを覚えておいて頂きたいと思います。

Sさんの不満や怒りを断ち切るには…

Sさんはご相談文の中で、仕事内容の割に高い給与を含む 現在の仕事のメリットをいくつも挙げて、 転職の意志が無いことを明らかにしていらっしゃいます。 そして「社内の人のボーナスと比べずに自分だけの範囲で判断するなら、これまでの中で願ったような仕事と収入のバランスです」 と、怒りの原因がボーナスであることも十分自覚していらっしゃいます。
その上で考えて頂きたいのは、大手金融企業でも 人事や総務の給与やボーナスは、他社よりは高くても トレーダー等のポジションと比べれば微々たるものです。 企業においては労働時間や勤務態度よりも、会社への数字での貢献度、もしくは上司に如何に上手く取り入るか等で 給与やボーナス、出世が決まるのは当たり前なのです。 特にボーナスは企業の業績に応じて、利益を生み出した人々への報奨金として与えられるものですので、業績に関わらない部署はどうしても金額が少なくなります。 Sさんと全く同じ経歴で、同じ仕事をされている方が、他の部署同様に給与の3ヵ月分のボーナスを受け取っていらした場合は 改善のアピールをするべきだとは思いますが、 基本的にSさんが不満と怒りを感じていらっしゃることは 企業と世の中の仕組みそのものなのです。
更に言えば Sさんが「仕事をしていない」とおっしゃるスタッフが、本当に会社に貢献していないとは決めつけられないと思います。 歴史ある大企業でしたらそういうこともあるかと思いますが、上場して日が浅い 若い企業でしたら、Sさんの目には仕事をしていないと映るスタッフでも、 何かしらのメリットを会社にもたらしていると判断するのが妥当だと思います。 もし上手く立ち回っているだけで高額給与を得ていたとしても、それが才能であり能力なのです。
世の中には「実力主義」を謳う企業は少なくありませんが、その実力の評価基準において大きな割合を占めているのは 世渡りの上手さ、体力、精神力です。 見方を変えれば 生まれ持った能力だけで全てが決まる訳ではないからこそ 世の中には面白味があるのです。
今のSさんの考え方は真面目過ぎて、人生の面白みや醍醐味というものが理解出来ないメンタリティになっているように見受けられます。 だからこそ別の職種やポジションの方達に対して 「高学歴で語学も堪能」と能力を認めながらも、一生懸命にきちんと働く自分のルールを押し付けてしまい、 それがボーナスの額の違いに対する怒りの原因になっているようにお見受けします。

「文は人となり」であると信じる私からのSさんへのアドバイスは、まず短く簡潔な文章、一文がしっかり句点で終わる文章を書く習慣をつけることです。 句点をつけるというのは区切りをつけることなのです。 今のSさんは 文章にさえ区切りをつけていらっしゃらないので、普通の人が割り切って済ませるような怒りや不満にも終止符が打てずに、引きずる習性が付いてしまっています。 きちんと1文を完結させるということは、次のセンテンスに移る前に 一旦考えを纏めるという行為です。 その1文1文が 筋道を成すプロセスで、考えが整理されて、主張がクリアになるのです。 こんな小さな日常の習慣が、物事の考え方や割り切り方に大きな影響を及ぼすのです。
ですから日記でも、お友達へのメールでも、とにかく短く、句点で終わるセンテンスの文章を毎日のように書き続けてみて下さい。 そしてある程度時間が経過したら、今回のご相談文と比較して頂きたいと思います。
その時に現在の文体の問題をご自身で悟られることがあれば、 今後 機会を見計らって 上司に Sさんの会社への貢献や、Sさんを雇い続けるメリット等を簡潔かつ手短にアピールしてみる価値はあると思いますし、 前回直訴された時とは違う結果をもたらす可能性は高いと思います。

人間は本能的に面倒を嫌います。自分の気持ちや事実関係を脈略無しに丸投げしても、それを整理して理解する面倒に関わりたい人など居ませんので、自動的に主張は跳ねのけられてしまいます。 しかし要点を明確に、情報を整理して、簡単なフォームで差し出せば、 同じ主張でも相手に受け入れてもらえる可能性が高まるのです。
レストランでの食事を例に考えても、アペタイザーとメイン、デザートと1品ずつ順を追って出されれば、何をどの順番で食べて、何が美味しかったかが正確に記憶に残るだけでなく、料理の正当な評価が下し易くなります。 しかし3コースを1つの器でぐちゃぐちゃに出せば、まず食欲が沸きませんし、味わったとしても何を食べているかが分からず、評価を正当に下すことなど不可能です。 筋道をきちんと立てず、情報を整理せずに 言いたい事だけを言うプレゼンテーションは、そんなごちゃ混ぜ料理と同じなのです。
会計や経理のような縁の下の力持ち的なポジションは、勤続年数が長くなるほど評価が高まります。 プレゼンさえきちんとすれば、ボーナスの額をアップさせる可能性はあると思いますし、 短い簡潔な主張を仕事に持ち込むことにより、職場でのコミュニケーションも改善するものと私は考えます。 そうなれば以前より仕事も生活も楽しくなるはずで、そうなった時には Sさんは今よりもずっと快活でリズム感のある文章を書いていらっしゃることと思います。

今回はかなり厳しいことを書いてしまいましたので、ご気分を害されたらごめんなさい。
ですが私はこれまで頂いたご相談の中でも 私が気付いたことで、お友達や家族には指摘して頂けないと思うことを 失礼を承知で申し上げるポリシーを貫いて参りました。 あくまで善意の第三者からの真摯なアドバイスとして受け止めて頂けたら幸いです。

Yoko Akiyama


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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。
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