No New Revelations in Epstein Files...
セックストラフィッカー、ジェフリー・エプスティーンの
極秘ファイル公開騒ぎの背後で何が起こっていたか?

Published on 3/6/2025


アメリカで2月27日木曜日に、ホワイトハウスで極右インフルエンサーに対して手渡されたのが、 世界中のVIPに未成年の少女達をあてがってた悪名高きセックス・トラフィッカー、ジェフリー・エプスティーンに関する極秘ファイル。
このファイル公開はその前の週末から、トランプ政権の司法長官、パム・ボンディが予告していたもので、 司法省は、その少し前にジョン・F・ケネディ大統領の暗殺に関する極秘と称するファイルを公開したばかり。 しかしJFK暗殺ファイルで明らかになった新情報は、発砲した暗殺者が2名だったかもしれない程度のもので、 アメリカ国民が長きに渡って抱いてきた動機、犯行計画やその手順など、疑問には一切答えない内容。
エプスティーンは逮捕が2019年、その1カ月後に留置所で自殺を図っており、ボンディ司法長官の元には、 極秘ファイル公開のリクエストが共和党議員、極右勢力から多数寄せられていることが伝えられていたのだった。




しかし、民主党側はトランプ政権がエプスティーン・ファイルを公開することには疑心暗鬼。 その理由はトランプ氏がエプスティーンと親しい交友関係にあったことで、そのことはトランプ氏とエプスティーンがマーラゴで談笑する映像や写真に加えて、 「ロリータ・エクスプレス」と呼ばれたエプスティーンのプライベート・ジェットでトランプ氏が旅行した記録等で疑う余地がない事実。
また昨年の大統領選挙前、2024年6月3日に FOX ニュースで放映されたトランプ氏のインタビューで、 9.11のテロ、ジョン・F・ケネディ大統領の暗殺、そしてジェフリー・エプスティーン事件という3つのクラシファイド(極秘)・ファイルの 公開について尋ねられたトランプ氏が、最初の2つには公開を2つ返事だったのに対して、エプスティーン・ファイルについては、答えを濁してからの曖昧なご合意をした上で、 「エプスティーンのことは良く知らない」と言い訳。 アンチ・トランプ派の間では、エプスティーンが刑務所で自殺と称する不審な死を遂げたのが第一期トランプ政権下だったことも手伝って、 トランプ氏はファイルを公開しない、もしくはトランプ氏の名前が出る部分を全て黒塗りにしてファイルを後悔すると見込んでいたのだった。






そのトランプ政権は2月4週目から、それまで独立機関が大統領の取材に当たる報道機関を選別してきた長年の慣例を破り、 トランプ政権のプレスチームが 取材を許可する記者やメディアを選別するという、言論統制型報道対応をスタートしたけれど、 その結果、2月27日のエプスティーン・ファイル公開に招待されたのは、極右保守の MAGA YouTuber。 その中にはQアノン陰謀説を拡散した顔ぶれも含まれ、彼等は事前に自らのチャンネルでファイル公開の予告を行い、ビューワーの期待を大きく盛り立てたのは言うまでもないこと。
メインストリート・メディアは、彼等が「エプスティーン・ファイル・フェイズ1」というバインダーを持って、ホワイトハウスから満面の笑顔で出て来る様子しか取材出来なかったけれど、 誰もがこのファイルを見て感じたのが、エプスティーン・ファイルにしては薄すぎるという印象。 実際に、その薄さは内容に如実に反映されていて、蓋を開けてみれば 散々期待させたファイルの内容は、 全てメディアでメディアで過去に報道された内容の裁判資料。セックス・トラフィッキングの恩恵を受けたVIPの名前も分からないままで、 失望と怒りをビデオで露わにしていたのが極右YouTuber達。
彼等の怒りは、トランプ氏ではなく、当初は中身の無いファイルを手渡したボンディ司法長官と もっと多くの捜査資料を持っているはずのFBIに注がれたけれど、 新FBI長官のキャッシュ・パテルは、週明けにはその責任をFBIのトップ捜査官におしつけ、理由を明確にしないまま引退を強要。 一方ボンディ長官は「エプスティーンが自殺したのはNYの留置所。資料を握りつぶしているのはNY司法省」 とFOXニュースでMAGAにアピール。アンチ・トランプ派の多いNY司法省の骨抜きに利用。 手抜きファイル公開によって、邪魔者削除に成功しているのだった。






しかし、トランプ政権が 2月27日にエプスティーン・ファイルを公開した本当の理由と言われるのが、 この日にルーマニア政府によって渡航禁止処分を受けていた 極右MAGAインフルエンサー、アンドリュー・テイトとその弟が、 アメリカに帰国するのを、大ごとにせずカモフラージュするため。
アンドリュー・テイトは、男尊女卑をかざして、女性をセックスの道具としか思わない、扱わないことをウリにしてのし上がった、極右保守インフルエンサーで、 攻撃的かつ、暴力的なキャラクターが、女性に相手にされない保守派男性から絶大な支持を集めている存在。
そのアンドリュー・テイトはイギリスでは性的虐待の罪に問われ、ルーマニアではセックス・トラフィッキングで1月に逮捕され、 お金を払って保釈はされたものの、裁判までの間渡航禁止処分を受けていたことから、弟と共にアメリカに帰国できず、ルーマニアで足止め状態が続いていたのだった。
その彼が2月14日にSNSに投稿したのが、上左のビジュアルにある 「テイト兄弟は自由になる。トランプが大統領だ。良い時代が戻って来る。 今まで以上に良い時代だ。 待って居ろ」というメッセージ。
これを見て、トランプ政権がアンドリュー・テイトを帰国させるために動いているという憶測が飛び交ったけれど、実際にそうだったようで、 極右インフルエンサー達に エプスティーン・ファイル関連の大騒ぎをさせることで、人々とメディアの関心を 逸らすのがトランプ政権の目的だったという説が濃厚。
ルーマニア政府はテイト兄弟を出国させたとは言え、セックス・トラフィッキングの訴追は継続するとのこと。しかし、テイト兄弟はもし有罪になったとしても、 ルーマニアに入国しない限りは罪には問われないので、事実上、不起訴処分になったのと全く同じ状態。
トランプ氏は、大統領就任と同時に2021年1月6日に米国議会に乱入し、罪に問われた1600人全員を恩赦したことで、 国民の83%から今も反発を買っているだけに、極力目立たない形で 救いたかったのがテイト兄弟。
政府機関がセックス・トラフィッカーの極秘ファイルを使って、別のセックス・トラフィッカーを救済するのは前代未聞で、 トランプ政権は犯罪者フレンドリーなイメージが益々定着しているのだった。


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