June Week 2, 2026
Trinity Forever!
忘れかけていた永遠のクラシック...、カルティエ・トリニティ
私が理解に苦しむ一部の女性の習慣に、出先で手を洗う際にリングを外して、洗面台等に置くというものがあるけれど、
そんなことをすれば紛失のリスクが高まるだけでなく、せっかく洗った手にバクテリアが付着しているリング、それも洗面台のバクテリアが新たに加わったものを
つけるのでは、手を洗う意味が薄れるだけ。
かく言う私は、両手に最低4つはリングをつけていることもあり、出先ではリングを外さない主義で、もし外す場合はジュエリー用のポーチに入れるのが常。
これを持ち歩く理由は、以前バッグのジッパー付きポケットに無造作に入れて見事に紛失したため。
先日、友人達の間でも「自分が年を取って来たと実感するのは 忘れ物や置き忘れ、何処で失くしたか分からない紛失が増えて来たこと」と話題になっていたけれど、
その紛失がゴールド・ジュエリーである場合、現在の金相場の上昇を受けて損失額はとんでもない金額。
先週にはゴールドが米国債を抜いて世界最大の中央銀行準備資産になっており、ゴールドは現在、世界の公的準備資産の27%、米国債は22%。
その差は今後も開くと見られているのだった。
CUBE New Yorkでも、今では14Kゴールドにシミュレーテッド・ダイヤをセットしたCJのジュエリーよりFショップの、18Kゴールド・プレートのジュエリーの方が遥かに人気だけれど、
2000年に約400ドルで販売していたテニス・ブレスレットは今や4000ドル以上。CUBE New Yorkの過去26年の歴史で最も値上がりしたのがCJの製品。
以前は「CJジュエリーなら紛失の際のダメージが少ない」とプロモートしていたけれど、今ではCJジュエリーも 紛失したら目の前がクラクラするお値段。
そのため私自身、ゴールド・ジュエリーとFショップのジュエリーをミックスしてつけるのが近年の傾向なのだった。
前置きが長くなったけれど、先日久々に友人が連絡してきて、何事かと思ったら 愛用していたカルティエのトリニティ・リングをレストランで失くしたとのこと。
当然見つかるはずも無く、買い直そうとカルティエのウェブサイトを見たところ、 1. 信じられないほど値段が跳ねあがっている、 2. 今では悪趣味な四角いトリニティがある、 3.自分が失くしたスタイルが廃番になっていた、という。 同じスタイルをヴィンテージ・リセールで探すと、コンディションが良いものは1万4000ドル前後で、カルティエで現在売られているオール・パヴェのトリニティ(2万700ドル~4万6500ドル)よりは安いとはいえ、
高過ぎて論外というのが彼女の言い分。
それでもカルティエは今ラグジュアリー・セクターの中で最も売り上げを伸ばしているブランド。
昨今ロレックスを嫌う人々が増えたため、ジュエリーだけでなく時計の売り上げも好調らしく、
ゴールドの値上がりもあって、強気のプライシングをしても不思議ではないブランドなのだった。
友人が私にコンタクトしてきたのは、CJの14Kゴールド&シミュレーテッド・ダイヤでカスタム・オーダーをしたいとの打診であったけれど、
お友だち割引でオファーした価格さえ彼女には高額だったことから ダメモトでインスパイア版の業者に問い合わせたところ、
あっさり見つかったのが友人が所有していた既に廃番になったエタニティ・スタイルのトリニティ・リング。
結局、友人のためにオール・シルバーとトライカラーの2つを取り寄せることになったけれど、
その取り寄せ作業をしているうちに、私自身も気に入ってしまったのがこのリング。
実は私も石が入っていないカルティエのトリニティを1990年代前半に購入していて、当時の価格は確か550ドル。
一時は気に入ってつけていたけれど、スムーズなゴールドの表面に傷がつくと価値が損なわれるので、温存するうちにつけなくなっていたもの。
でもエタニティ・スタイルであれば、日常でつけても傷の心配が要らないので
自分用のリングまでオーダーする運びになり、今は友人と一緒に到着を待っている状態。
余談ではあるけれど、アメリカでは1933年から1974年まで一般市民がゴールドを所有することが禁じられ、所有しているゴールド・バーやゴールド・コインを一定価格で国に売却することが
義務付けられたけれど、この時に所有が許されたのがジュエリーやコレクティブル・コイン、アートに使用されたゴールド。
それによって上手く財産を残したことで知られるのが女優のエリザベス・テーラーで、彼女は2回結婚した俳優のリチャード・バートンから 高額のブルガリ製カスタムメイドの
ジュエリーを数多く贈られており、それが彼女の個人資産の大半。それらのジュエリーは死後にオークションにかけられ、大半をブルガリが落札して保存しているのだった。
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執筆者プロフィール 秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。 |


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