Oct. Week 4, 2022
“NY Fave Fall Sweets”
秋のNYで人気のデザート
現在、世の中ではラッパーのカニエ・ウエストの反ユダヤ発言が物議を醸しているけれど、石を投げればユダヤ人に当たるほどユダヤ教徒が多いのがニューヨーク。
そしてニューヨークに暮らしていれば誰もが自然に学ぶのが、ユダヤ教のニューイヤーが9月のロシュハシャナであること。
今年は9月25日の晩から27日の晩までがロシュハシャナであったけれど、毎年これを前後してNYの人気ジュ―イッシュ・ベーカリー、
Breads Bakery / ブレッズ・ベーカリーのラインナップに加わるのがアップル・バブカ。
バブカは伝統的なジュ―イッシュ・ブレッドで、一年中販売されているレギュラー・フレーバーはチョコレートとシナモン。
バブカのドウは ブリオッシュに似たハッラーと呼ばれるジュ―イッシュ・ブレッドと同じで、それにチョコレート、シナモン、ナッツを練り込んで焼き上げるバブカは、
お菓子とパンの中間といった存在。
NYでは数年前まではロシュハシャナにチョコレート・バブカではなく、シナモン・バブカを持ってユダヤ人家庭を訪問すると、
「チョコレートが売り切れていたから、売れ残っていたシナモンを買って来た」と思われていたけれど、
アップル・バブカが登場してからというもの、チョコレートのバブカを持って行くと「アップルが売り切れていたから、チョコレートを買って来た」と思われるほどに
この時期の人気商品になっているのだった。
このコーナーに何度も書いた通り、「美味しいパンがライフライン」の私であるけれど、そんなパン好きの私が避けて通るのがベーグルを除くジュ―イッシュ・ブレッド。
前述のハッラーもフレンチ・トーストにする以外は苦手。バブカに至っては ハッキリと「好きじゃない」と意思表示をするほどで、
嫌いな物を食べて太りたくない私は たとえバブカを出されても食べないのが常。これは私に限ったことではなくて、「甘い物もパンも好きだけれど、バブカは好きじゃない」という人は少なくとも私が知る限り 少なくないのだった。
そんな私にとってもアップル・バブカは例外で、ハチミツに浸したリンゴによってバブカ独得のテクスチャーがしっとり感じられるので、ローフの形をしたアップル・ペストリーという印象。
私が唯一美味しいと思って食べるバブカなのだった。
昨年のこの時期にはブレッズ・ベーカリーの店に行けば連日完売、事前のオンライン予約もあっという間にソールドアウトで手に入らなかったけれど、
今年は増産体制を整えたようで無事入手。
友人宅に持参して、すごく喜んでもらうことが出来たのだった。
ブレッズ・ベーカリーは、前述のようにジュ―イッシュ・ベーカリーであるけれど、クロワッサンやタルトを始めとする
フレンチ・スタイルのベーキングも優秀。
ブルックリンとマンハッタンに複数のブランチがあって、レストランも経営するほど手広くビジネスを展開しているベーカリー。
私が住むアッパー・イーストサイドにも2年ほど前に店舗がオープンしていて
何時出掛けても混み合っているけれど、さすがにジュ―イッシュ御用達ベーカリーとあって、日頃飛ぶように売れているのはペストリーやケーキよりもベーシックなローフやハッラー(写真上右)。
バブカについてはアップル以外にも 毎年季節に合わせてチーズ・バブカなど、他店にないヴァージョンのバブカを発売しているけれど、
一番人気はやはりロシュハシャナというホリデイも手伝って アップル・バブカとのこと。
ジュ―イッシュ・ブレッドは日持ちが良い傾向にあるけれど、バブカも室温で5日間は保存が可能。
アルミホイルで包んで冷凍保存した場合は1ヵ月は持つと言われるのだった。
Breads Bakery ウェブサイト:https://www.breadsbakery.com/
もう1つ秋のNYで人気のスウィーツになっているのがクッキー・ショップ、 Chip City / チップ・シティ のパンプキン・スパイス・ラテ・クッキー。
もう何年も前にスターバックスが 秋のシーズナル・メニューとしてパンプキン・スパイス・ラテを発売して大ヒットになって以来、
この季節になるとパンプキン・スパイス・ラテ・ブラウニー、パンプキン・スパイス・ラテ・ティラミス、パンプキン・スパイス・ラテ・カップケーキ等、
ありとあらゆるスウィーツがパンプキン・スパイス・ラテ・フレーバーになるのは毎年のこと。
私は液体を飲んでカロリーを大量に摂取するのに抵抗がある上に、パンプキン・スパイス・ラテはフレーバーが人工的なのでとにかく苦手。
でもチップ・シティのパンプキン・スパイス・ラテ・クッキーは、人気があるので好奇心でトライしてみたそのところ 思いの他美味しかったスウィーツ。
NYのNo.1クッキーと言えば、今も旅行ガイド等に盛んにフィーチャーされるレヴァイン・ベーカリーであると思うけれど、レヴァインのクッキーはチョコレート・チップ&ウォルナッツ等、ベーシックなフレーバー4種類のみ。
一方のチップ・シティは同じボリュームのある肉厚スタイルのクッキーであるけれど、オートミール・アップルパイ、クッキー&クリーム、ブルーベリー・チーズケーキ、カノ―リ・クッキー等、
チップ・シティならではの17種類のクラシック・フレーバーとシーズナル・フレーバーが 週ごとに異なるラインナップを見せるので、友人宅にお土産で持参する際には
その珍しいフレーバーがアピールするのだった。
ケーキ並みにカロリーはあるけれど、オーブンやトースターで3~4分温めると 焼きたてのような美味しさになる上に、それにヴァニラ・アイスを添えると
その辺の高額ケーキよりもヤミツキになる美味しさ。もちろんゲストにデザートとしてサーヴィングしても喜んでもらえるのだった。
Chip City ウェブサイト:https://www.chipcitycookies.com/
執筆者プロフィール 秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。 |
★ 書籍出版のお知らせ ★
当社に頂戴した商品のレビュー、コーナーへのご感想、Q&ADVへのご相談を含む 全てのEメールは、 匿名にて当社のコンテンツ(コラムや 当社が関わる雑誌記事等の出版物)として使用される場合がございます。 掲載をご希望でない場合は、メールにその旨ご記入をお願いいたします。 Q&ADVのご相談については掲載を前提に頂いたものと自動的に判断されます。 掲載されない形でのご相談はプライベート・セッションへのお申込みをお勧めいたします。 一度掲載されたコンテンツは、当社の編集作業を経た当社がコピーライトを所有するコンテンツと見なされますので、 その使用に関するクレームへの対応はご遠慮させて頂きます。
Copyright © Yoko Akiyama & Cube New York Inc. 2022.