ヴォーグ誌に誤算をもたらした2人のファッショニスタ、
J.Lo & ブレーク・ライブリーのキャリア・メルトダウン
Published on 8/29/2024
2024年はソーシャル・メディアを通じたセレブリティ・バックラッシュが頻繁に見られる年。
その中にはNY郊外のリゾート地、ハンプトンズで酒気帯び運転をして逮捕され、
アルコール・テストを拒んで顰蹙を買ったジャスティン・ティンバーレイク、映画セットでシネマトグラファ―を誤って射殺した事件で一時不起訴になりながらも、
再び刑事責任が問われているアレック・ボールドウィン等が挙げられるけれど、
ハマスVS.イスラエルの戦争について沈黙を守っているセレブリティに対して若いリベラル派からのバックラッシュが起こる一方で、
人種的バックグラウンドからパレスチナを公に支援しているベラ・ハディド等は、親イスラエル派のバックラッシュに遭って、
今年は殆どメジャーな仕事をしていない状況。
つい最近では女優のリリー・アレンが、保護施設から犬をもらい受けておきながら、それをオンライン・ショッピングの返品のように
返しに行ったことでも批判を浴びていましたが、現時点で2024年に最も大きなバックラッシュに見舞われているのが、
8月に最新主演映画が封切られたばかりのブレーク・ライヴリー。そして8月20日にベン・アフレックとの離婚申請を行ったジェニファー・ロペス。
以下ではこの2人のファッショニスタが見舞われているバックラッシュと、それがヴォーグ誌にもたらした誤算についてレポートします。
8月9日に封切られたのが、ブレーク・ライブリー&ジャスティン・バルドー二主演で、バルドー二が監督も務める映画「It Ends With Us」。
ドメスティック・ヴァイオレンスを描いた同名のベストセラー本の映画化で、公開第1週目にして1億ドルの興行売上を記録したヒット作ですが、
その映画のプロモーションを通じて、ブレークが経験しているのが これまで彼女に起こったことも無いレベルの猛烈なバックラッシュ。
映画の中で夢だったフラワー・ショップを始めるヒロインを演じたブレークは、プレス・ツアーでことごとくフラワー・モチーフのファッションを披露。
そのファッションは評価されたものの、「友達を誘って、花柄の服を着て私の映画を見に行きましょう」とインスタグラム投稿で呼び掛け、
DVという女性にとって深刻なテーマを扱った映画を まるで「バービー」のようにプロモートしたことからスタートしたのが今回の一連のバッシング。
彼女のアカウントには「無神経にもほどがある」といった非難が殺到。
またブレークは、ジャスティン・バルドー二が不在時にセットに夫のライアン・レイノルズを招き、勝手にシーン撮影の監督をさせており、
このことで既に撮影現場でギクシャクしていたブレークとジャスティンの関係をさらに悪化させたのだった。
そもそも2人の関係が悪化したきっかけは、バルドー二が異常なまでにキス・シーンにこだわり過ぎたこと、加えて女性の立場から映画のシーン設定についてアドバイスをする
ブレークを始めとする女性キャストの意見に全く耳を貸さず、撮影が進めるうちにジャスティン自身が 映画の中で演じるDV男になっていったこと。
更にジャスティンは、撮影直前に出産して、通常より体重が重かったブレークに「ファット・シェイミング」、早い話がデブだと非難しており、
彼女の身体を支えるシーンで腰を痛めたことを理由に、ブレークの体重、それに掛かる勢いを計算し、その重量を支えるための筋トレを行うという嫌味な行動に出ていたことも明らかになっているのだった。
そんな最悪な撮影現場だったことから、映画のプロモーション中も 「ジャスティンVS.ブレークを含む女性キャスト」の対立姿勢が見て取れるもの。
しかしプロモーション中に行われたインタビューやファンとのディスカッションを通じて 映画のテーマであるDVについて真剣に考えを述べたり、ディスカッションをすることなく、
他の女性共演者とゴシップ・ガールの続きを演じているようなチャラチャラしたガールズ・トークを繰り広げたのがブレーク。
映画の原作は、DV被害者やその家族が数多く読んでいるベストセラーで、そんな軽いムードになることが不謹慎な内容だけに、
プレス・ツアーで見せたブレークの軽薄さには 特にTikTok上で猛批判が集中していたのだった。
そのせいで、ブレークは2012年にトランスジェンダーを「トラニー」という差別用語で呼んだことも批判されるようになり、「Cancel Blake Lively!」の
スローガンがインターネット上に更に広まったのだった。
一方のジャスティン・バルドー二も、女性キャストからの冷たい態度が報じられ、それまで彼が演じて来た ”男性フェミニスト”のイメージが大きく崩れたことから、
クライシス・マネジメント・チームを雇ったことが伝えられ、それ以降はブレークに対して好意的な発言が目立つようになっていったのだった。
一方のブレークはプレス・ツアーが終わってからも批判が衰えることは無く、
その最大の理由は ブレークがこの夏にデビューさせた自らのヘアケア・ライン”Blake Brown/ブレーク・ブラウン”と、
ブレークのアルコール・ブランド、”Betty Booze/ベティ・ブーズ”の宣伝プロモーションを映画のプロモーションとタイアップさせるイベントを行ったため。
映画の封切りとほぼ同時期に発売された”ブレーク・ブラウン” の関係者は、映画封切りは当初は3月の予定で、その後6月に延期され、最終的に8月9日になったので、結果的にタイアップ・イベントを行ったものの、
「最初から予定していた訳ではなかった」と釈明。
そのヘアケアの宣伝については、モラル的に百歩譲れば許せるレベル。それより遥かに問題視されていたのはアルコール・ブランド、
”ベティ・ブーズ” とのタイアップ。 というのもアメリカのドメスティック・ヴァイオレンスの60%以上に絡んでいると言われるのがアルコール。
すなわち酔っ払った夫が妻に怒りをぶつけて、殴る蹴るの暴行を加え、最悪の場合、銃による発砲もあり得るのがアメリカ。
そのためドメスティック・ヴァイオレンスの映画とアルコールを一緒にプロモートするというのは、女性達、特にDVの被害者にとっては極めて不謹慎な行為に受け止められたのだった。
更に無神経なのはベティ・ブーズのウェブサイトで、映画をテーマにしたオリジナル・カクテルのレシピが公開され、
そのレシピの材料リストにブレークの夫、ライアン・レイノルズのジンのブランド、アヴィエーター・ジンが含まれていたこと。
これは「ブレークにとって家庭内暴力は オリジナル・カクテルをデザインして、夫のジン・ブランドと共同の宣伝に使う程度のこと」と宣言しているようなもので、
ブレークだけでなく、彼女の2つのブランドの売り上げにも大打撃を与えたと言われたのが、ブレークの軽く捉える態度や発言。
そうするうちに彼女のヘアケア・ブランドの悪評がソーシャル・メディアにポストされるようになり、
美容整形医がブレークが行ったと思しき整形手術を指摘し始めるなど、ネガティブ・パブリシティがどんどん増えて行ったのが8月中。
今年のスーパーボウルをブレークと一緒にVIPボックスで観戦した親友のテイラー・スウィフトは、暫しの間ブレークをサポートするような言及は見られなかったものの、8月25日のブレークの37回目のバースデーには
テイラーが所有するロード・アイランドにある大邸宅で彼女のためのパーティーを主催。現在交際中のブラッドリー・クーパー&ジジ・ハディドを含むテイラーとの共通の友人達や、
ライアン・レイノルズやブレークの子供達に囲まれてブレークが誕生日を盛大に祝った様子が報じられ、テイラーがブレークの味方で居る様子がアピールされていたのだった。
しかしブレーク本人は今回のバックラッシュで「自分がハリウッドからキャンセルされる」と戦々恐々としているようで、
関係者が「時間の経過と共に沈静化する」と慰めるものの、自らのブランドのビジネスのためにはソーシャル・メディアから長期に渡って遠ざかる訳にも行かず、
かなり苦しい精神状態に追い込まれている様子が噂されているのだった。
このとばっちりを受けたと言われるのがヴォーグ誌。というのも年間で最も広告収入が高い9月号のカバーにブレークを起用していたためで、
アメリカでは雑誌は郵送による定期購読がベースであるものの、3月、9月の季節の変わり目に店頭販売数が大きく伸びるのがファッション誌。
例えブレークがハリウッドで屈指のファッショニスタデモ、今回のことでブレークに反感を募らせている真最中の女性達が彼女が表紙とクラビア記事を飾る
ヴォーグ9月号を手に取る可能性は大きく激減しているのだった。
ヴォーカル盗み、病的なフェイム執着? J.Loのへのバッシング
一方の2024年の初春ごろから、ソーシャル・メディアのバックラッシュの対象となって来たのがジェニファー・ロペス。
ジェニファーと言えば、長きに渡って アシャンティ、クリスティーナ・ミリアン、ブランディといったアフリカ系アメリカ人の実力派のシンガーのバック・ヴォーカルとして起用し、
それを 自分のヴォーカルと偽ってトラックに採用して、その乏しい歌唱力を補って来たことは音楽業界では公然の秘密。
その好例と言えたのが2002年のヒット曲、「ジェニー・フロム・ザ・ブロック」。ここでバック・ヴォーカリストとして起用したナターシャ・ラモスが歌唱したコーラスと繋ぎの部分を、
そのまま完成したトラックに自分の歌声として使用しただけでなく、 オリジナルのデモに録音されていた彼女の笑い声まで使用したことは、「恥知らず」とまで言われていたのだった。
そしてそのことが、今年に入ってソーシャル・メディアを通じて一般のオーディエンスにバレてしまったのが、盛大なバックラッシュを招いた1つ目の理由。
バレるきっかけとなったのは ベン・アフレックとの結婚。というのも「ジェニー・フロム・ザ・ブロック」と言えば、ミュージック・ビデオにベン・アフレックが登場しており、それをフィーチャーした 2002年のアルバム「This is me then」は
当時婚約者であったベン・アフレックの発案でついたタイトル。そして20年後にアフレックと結ばれたジェニファーが春先に発売された最新アルバムにつけたタイトルが 「This is me now」。
すなわち2002年が「あの時の私」、2024年が「今の私」というタイトルで作品に関連性を持たせた訳だけれど、それによって2002年当時、未だソーシャル・メディアが広まる前には
バレなかった「ジェニー・フロム・ザ・ブロック」の”ヴォーカル盗み”が 今になって世に拡散されることになったのだった。
そんな過去の”悪行”にフォーカスが当てったこともあり、 「This is me now」は ビルボードのアルバム・チャートで最高38位止まり。また全30公演を予定していた全米ツアー日程も、チケット売上不振キャンセルしなければならない状況。
更にはジェニファーとベンの20年越しの結婚までの道のりを描くはずだったドキュメンタリー「The Greatest Love Story Never Told」は、共同プロデュースだけでなく、映画の製作自体をベンに断られ、
ジェニファーの自己愛を描く内容に編集されて公開。この話が浮上した時点では、ベンはジェニファーのなりふり構わぬ スターの座に固執する姿に辟易していたことが伝えられるのだった。
でもそんなジェニファーの姿勢は、世間一般からは今年で55歳を迎え、ポップシンガー、ファッション・アイコン、女優として、これまでのセックス・シンボルというイメージに無理が生じて来たことに焦る空回りや、必死さと受け止められており、
ジェ二ファーが 同じ年齢の女性達に向けてクリエイトしたスキンケア・ラインは、一向に売り上げが伸びず、小売店が取り扱いをストップし始めている状況。
今年のスーパーボウルの際には、夫婦揃ってダンキン・ドーナツのCMに出演して話題になった ベンとの結婚生活も、春からは不仲説を通り越して、いきなり離婚説が囁かれ、
2人で購入していた6000万ドルのビバリーヒルズの大邸宅が程なく売りに出されるなど、春以降のジェニファーのニュースと言えば、何時ベンとの結婚が破局を迎えるかに集中していたのだった。
結局、ベンが家を出て別居状態となったのは4月26日で、今年のMETガラの直前。ヴォーグ誌が協賛し、毎年ヴォーグの編集長アナ・ウィンターがセレブリティと共に共同チェアウーマンを勤めるMETガラは、
昨年のうちから2024年にチェアウーマンとしてジェニファーを選んでおり、彼女の映画公開とプロダクト・ローンチでメディア・フォーカスがジェニファーに集まる中で、
ベン・アフレックがジェニファーをエスコートしながらMETガラ・デビューを果たすことで、大きなパブリシティが取れることを見込んでいたのだった。
しかしベンはMETガラに登場することは無く、METガラでのジェニファー自身も疲れた表情でいつもの輝きが無かったのは多くのフォトグラファーが指摘するところ。
ここでもヴォーグはまさかのキャスティング・トラブルに見舞われたのだった。
結局、ジェニファーが離婚を申請したのは8月20日、2人の2度目の結婚記念日。
ジェニファーに批判的な声が聞かれる中で、ベンに対してもアルコール依存症を含む様々な性格的問題を抱える彼が、「ジェニファーとの結婚で生まれ変わったふりをしたけれど続かなかった」という厳しい指摘が聞かれていたのだった。
ジェニファーは離婚申請の直後、以前交際し婚約していた元ヤンキーズのアレックス・ロドリゲスにコンタクトをしたことが伝えられ、一方のベン・アフレックは
頻繁に前妻、ジェニファー・ガーナ―、2人の間に生まれた子供達と時間を過ごす様子が伝えられる中、目撃されたのがビバリーヒルズでのデート。
お相手は大統領選からの離脱を発表したロバート・F・ケネディ・ジュニアの娘であるキック・ケネディ(写真上、一番右36歳)。
交際は確認されていないものの、キック・ケネディはスタンフォード大学を卒業し、現在は無名女優。弟のコナー・ケネディが、かつて短期間だけテイラー・スウィフトと交際していたことから、
テイラーとは友人関係であることが現時点で彼女のキャリアで最も輝かしいポイント。
若手女優として嘱望されてたアナ・デ・アルマスにとってベンとの交際がキャリアのマイナスに働いたと言われるだけに、キック・ケネディも知名度は上がるかもしれないけれど、
ベンはハリウッドでは「精神不安定のバツイチ子持ちで、お荷物が多過ぎる」と見なされる存在にすぎないのだった。
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