TikTokで関連動画が96億回再生、ジェンZが盛り上げる空前のピクルス・トレンド!?
Published on 11/28/2024
ピクルスと言えば、アメリカでは長きに渡って妊婦が狂ったように食べ続けるフードで、お腹が大きな女性が大きなピクルス・ジャーを抱え込んで、
ピクルスをボリボリ食べる姿は妊婦に付き物。
そのピクルスがパンデミック後から人気を高めるようになり、ブームがピークを迎えたのは2023年からジェネレーションZが盛んにもてはやすようになってから。
ジェンZのユーザーが多いソーシャル・メディア、TikTok上では#picklesのハッシュタグが付いた動画の合計視聴回数が96億回に達しており、
ユーザーがピックルスをテーマに様々なチャレンジをしたり、ピクルスを使った料理や
ピクルスの食べ方のアレンジを動画にしてポスト。それが大人気を博しているのだった。
当然ビジネスもそのブームに便乗していて、瓶入りピクルスの最大手、クラウセンはカップケーキの人気店ベイクド・バイ・メリッサとのコラボレーションで、
ピクルス味のカップケーキをリミテッド・エディションで販売し、あっという間に完売。
ファストフードのジミー・ジョンズでは、これまでパンに挟まれていたピクルスの立場を逆転。ピクルスがパンの役割を担い、ハム、トマト、レタス、オニオン等をピクルスの間に挟む
”ピックルウィッチ”を発売するに至っているのだった。
何故ジェンZがピクルスを好むのか?
ジェンZがピクルスを好む理由については諸説あるものの、まずジェンZはヴェジタリアンが多いヘルシー志向が強い世代。
しかもアレルギー体質が多く、若くして腸内環境を気遣って自然発酵食物を努めて摂取しようとするジェネレーション。
なので彼らにとってピクルスやキムチ、サワー・クラウトといった”漬物”は理想的なスナック。
味がしっかりついている割には血圧を下げる効果があり、低カロリー。しかも電解質、プロバイオティクス、心臓に良い化合物も含まれているので、
罪悪感無しにいつでも気軽に食べられるのだった。
さらには甘酸っぱい味、香草のディルを使ったさわやかな味わい、チリペッパーを使ったスパイシーな味わい、
塩辛い味付けなど多種類、微妙なフレーバーが楽しめる一方で、
浅漬け、しっかり漬けたタイプで クランチーさも異なる等、奥が深い食べ物。
先述のカップケーキ以外にも、チョコレート・コーティングのピクルスや、ピクルス味のキャンディ、
コットン・キャンダリ(綿あめ)、アイスクリーム、ソフトサーブ(ソフトクリーム)も登場。
デザートとしてももてはやされるようになっているのだった。
ピクルスはファッションでもトレンディング
ピクルスは食べるだけでなく、様々なアイテムでプロダクトの開発が行われ、
上のビジュアルのように、歯磨き粉、バンドエイド、Tシャツを含む様々なアパレルやアクセサリーが登場。
ジェネレーションZは、テイラー・スウィフトでも、バービーでも自分がその時々で関心を注いでいる物のグッズを購入する傾向が顕著なので、
考えられるありとあらゆるプロダクトがピクルスで登場。
クラフトグッズのサイト、Etsyでは、前年に比べて今年はピクルス関連商品の検索が41%アップ。
アクセサリーやアパレル、インテリア・グッズもさることながら、
自分でピクルスを作るためのピクルス・キットの関心が高く、
その検索数は前年比405%アップが伝えられるのだった。
ピクルス・ビューティー
ピクルス・ブームはドリンクの世界にも波及していて、ピクルス・ジュースが登場したり、それを使ったピクルス・マティーニをメニューに加えるバーも増えているけれど、
ビューティー業界もこのブームを逃すはずは無くて、ピクルスのコロン、リップバーム、ソープ、ボディ・クリーム等が登場。
ルーム・フレッシュナーも発売されて、部屋中がピクルスの香りでも厭わないのがジェネレーションZ。
前回特定の食材がここまで大人気になったのはミレニアル世代にとってのアボカドで、この時はミレニアル世代が事あるごとに
アボカド・トーストを食べ続けていたのは記憶に新しいところで、
ホールフーズで、オーガニック・アボカドが飛ぶように売れていたのだった。
ピクルス・ブームは、近年大人気のピックル・ボールのトレンドと連携しているという声もあれば、無関係という声もあるけれど、
ジェンZの中にはピクルス好きが高じて、ピクルスの会社を自ら起業する人々も出てきており、
これまで食べたことが無い変わった味を興味本位で好むジェンZのために、あり得ないフレーバーやあり得ないコンビネーション、コラボレーションが今後期待されるのだった。
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