19th Century Luxury Mansion Revived as a Hotel in NoMad
19世紀の邸宅が、話題のレストランを携えて華麗なホテルに!
フィフス・アヴェニュー・ホテル & カフェ・カメリーニ

Published on 6/6/2024


2023年9月にオープンして以来、世界の富裕層のNY滞在先としてだけでなく、ホテル内のレストランがマグネットになってニューヨーカーにも人気を博しているのが、フィフス・アヴェニュー・ホテル。
同ホテルが位地するのは5番街と28丁目、NoMadのネーミングで再開発が進んで久しいエリア。 この近くの32丁目の5番街エリアにある「The Hotel at Fifth Avenue New York」と紛らわしいものの、こちらは大衆ホテルで、フィフス・アヴェニュー・ホテルはお値段からサービスまで、かけ離れたラグジュアリーを提供する全く別物のホテル。
フィフス・アヴェニュー・ホテルのメイン・ロビーやレストランがある建物は地上5階建てで、オリジナルは19世紀のNY社交界の名士、シャーロット・グッドリッジの邸宅。 1907年にはイタリアン・ルネッサンス様式の建築で銀行として再設計されており、そのデザインを手掛けたのはブルックリン・ミュージアムやオリジナルのペンシルベニア・ステーション等、ニューヨークの歴史的建造物を手掛けた建築家。 1970年代入ると、ホテル創設を得意とする不動産業者の一族がこの由緒ある建物を買収。しかし高級ホテルとしての構想がようやく実現したのは、邸宅に隣接して24階建てのガラス張りのタワーが増築されてからのことなのだった。






現在はアメリカはもちろん、世界中が旅行ブーム。2024年に入ってからは、旅行者数がパンデミック前を上回って史上最高に達しているけれど、 近年のニューヨークはホテルの建築ラッシュ。ハドソン・ヤーズ内のエクィノックス・ホテル、フィフス・アヴェニュー・ホテルと同じNoMadにはマンハッタンで2軒目のリッツ・カールトンがモダンな高層ビルにオープン。 ミッドタウンの5番街にはアマンNYが、そのミッドタウンのフォーシーズンスはパンデミック以降クローズしたままであるものの、ファイナンシャル・ディストリクトには別のフォーシーズンスがオープン。 ラグジュアリー・ホテルが立地、デザイン、サービスで凌ぎを削っているのが現在。
そんな中にあって、ひと際ユニークなのがフィフス・アヴェニュー・ホテルで、一番の売りは 大富豪の私邸に滞在しているようなエクレクティックで、アーティスティックでユニークなインテリア。 そもそもフィフス・アヴェニュー・ホテルは「他に類を見ないニューヨークならではホテル」がコンセプト。 商業的な要素が一切排除され、照明器具から壁紙、エレベーターに至るまでが、こだわりのあるアートのようなゴージャスな空間に仕上がっているのだった。


フィフス・アヴェニュー・ホテルは、前述のようにメイン・ロビーを含む公共エリアは、19世紀の邸宅を改装した5階建ての建物内にあり、 スイート・ルームを含む客質のほぼ全てはガラス張りのタワー・ビルディング内。しかしながらインテリアはクラシックなマンションからモダンなビルディングに移動しても、それを意識させない一貫性があり、 そのインテリア・ディテールの1つ1つが職人の手作業で仕上げられた精巧なアート。
全体的に美しくバランスが取れているのが不思議に感じられるほど、それぞれに個性があるアートやデコレーションが、緻密にコーディネートされた空間。 そのため客層はアート&デザイン、ファッション業界、メディア業界を中心に、ヒップな若い層から、モダンにドレスアップしたベビーブーマー世代まで様々。 客層の共通点と言えるのは、1泊895ドル以上の宿泊料金を支払える富裕層であることなのだった。


フィフス・アヴェニュー・ホテルは、テクノロジー面も完璧に装備されていて、それらすべての機能のコントロールが集約されているのが備え付けのタブレット。それさえあれば、 リモートやスマートフォンのセットアップは必要無く、部屋の温度、テレビ、ルーム・サービス、服のクリーニングやアイロン・サービス等、全てがアレンジ出来るしくみ。 使用法は部屋を案内してくれるバトラーが、丁寧に説明してくれるのは言うまでもないこと。
また必要に応じて1日2回のハウス・キーピングを行ってくれるので、午後に休息を取ってからナイトアウトをする人々や、家族連れの滞在者には常に客室がクリーンに保てる利点があるのだった。 部屋によっては高級車による送り迎えのサービス特典もついているので、Uberを呼ぶ必要さえ無い至れり尽くせり状態。 更にはニューヨークの摩天楼を眺めながらの日本庭園が設けられたテラスでの入浴が楽しめるスイート・ルームも存在しているのだった。
バスルームにこだわるフィフス・アヴェニュー・ホテルでは、ゆったりした広さ、大理石の床、ユニークな壁紙という空間に、ヘッドピローがついた大きいサイズのバスタブがフィーチャーされ、 どのレベルの部屋に滞在しても、贅沢なバスタイムが楽しめるようにデザインされているのだった。






フィフス・アヴェニュー・ホテルのフィットネス・センターは、これからオープンする予定で、それまでの間は近隣のジムのフリー・パスが来店客に手渡されるとのこと。
フィフス・アヴェニュー・ホテルがあるNoMadエリアは、ハドソン・リバー沿いまで行けばガゴーシアン等の著名アート・ギャラリーが並び、その手前にはスポーツとコンサートのメッカ、マディソン・スクエア・ガーデン。 フィフスを少し上ればコリアン・タウンとエンパイア・ステート・ビルディング。少し下ればマディソン・スクエア・パークがあり、徒歩でも十分に楽しめるエリア。 近隣には新しいレストランやカフェも沢山あるので、年齢に関わらず 既にニューヨークに何度も訪れている旅行者が、住む感覚で滞在するのにも最高のロケーションと言えるのだった。


フィフス・アヴェニュー・ホテル内には、今後2軒目のレストランがオープン予定であるけれど、既にニューヨーカーの間で人気のスポットになっているのが、 クラシックでアップスケールなインテリアを誇るレストラン、カフェ・カメリーニ。
同店を手掛けるシェフ、アンドリュー・カメリーニは、トライベッカのロカンタ・ヴェルデ、NoHoのラファイエット、SoHoのザ・ダッチス等、サウス・ストリート・シーポートのカルネ・マレ、そしてブルックリンのウエストライト等、 ダウンタウンを中心に長寿の人気&トレンディング・レストランを多数手掛ける存在。
ダニエルやジャン・ジョルジュのような大御所過ぎるシェフではなく、ニューヨーカーが日常生活の中でリピートして通うレストランをクリエイトしてサクセスを収めているカメリーニにとって、 最もステータスが高いレストランと言えるのが カフェ・カメリーニ。 料理はシェフの故郷であるトスカーナのクラシックなイタリアンをベースにしたもの。 今ニューヨークは空前のキャビア・ブームで、スシからフライドチキンにまでキャビアをトッピングする傾向にあるけれど、カフェ・カメリーニでも そんなキャビアを贅沢にあしらうメニューが登場。
アール・デコ調のミラーやシャンデリアで美しくデコレートされた優雅なインテリアの店内の特等席はオペラのボックス・シートにも似た上階のテーブル。 料理もさることながら、1800本のラインナップが揃うワイン・リスト、柚子やスターアニスを使ったユニークで計算された味わいのカクテル・リストも優秀で、 今、インテリアでも客層でもニューヨークで最も絵になるレストランと言われる存在なのだった。






カフェ・カメリーニの直ぐ傍にあるポートレート・バーは、ディナー前後のカクテルを楽しむのに最適な落ち着いた、美しい空間。 ここでゆったりと味わうカクテルは、旅の贅沢とニューヨークの魅力を同時に感じられると大評判。
ポートレート・バーは朝食の時間帯には、宿泊者の朝食用カフェともしても使用されているものの、 フィフス・アヴェニュー・ホテルでのお薦めの朝食はルームサービス。シャワーを浴びてから、柔らかいバスルームに包まれて 味わう焼きたてのクロワッサンやしぼりたてのオレンジ・ジュース、カプチーノは一流ホテル滞在の醍醐味。
それと同時にフィフス・アヴェニュー・ホテルで体験すべきルームサービスは午後5時〜7時の間、部屋にマティーニ・バトラーがやって来て、シェイクでもステアーでも完璧なマティーニを目の前で作ってくれる マティーニ・リチュアル。どの部屋に滞在しても1回は無料で楽しめるのがマティーニ・サービスで、こんなさり気ない計らいが滞在の特別感を高めてくれるのだった。

ホテル内は24時間バトラー・サービスで、至れり尽くせりのホスピタリティが楽しめるので、高額とは言え、安心して、心地好い滞在が約束され、 しかもナイトアウトに最適なレストランとバーがインハウスで楽しめるという点でも魅力あるホテル。 他のホテルにはない大金持ちの邸宅のようなインテリアも手伝って、通常のホテルでは満足しない客層に大人気のスポットになっているのだった。

Fifth Avenue Hotel 1 West 28th Street, New York, NY, New York City, New York 10001
Website: https://www.thefifthavenuehotel.com

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