High Tech Home Gym is New Status Symbol?
ヘルス・コンシャスの 新ステイタス・シンボル!?
シリコン・ヴァレーがクリエイトするハイテク、スマート&コネクテッド・エクササイズ・マシン

Published on 9/28/2018


貧富の差が開いたアメリカでは、マルチミリオネアの豪邸にはプライベート・ジムが付き物ですが、 過去2年ほどの間で、アメリカで徐々に広まってきたのがPeloton / ペロトンというエクササイズ・マシン。
ニューヨーク発信のスピニング・ジム、ソウル・サイクルがスピニングのブームに火をつけて以来、 全米にそのブームが広まったのは周知の事実。 ブームが一段落して久しい今も、ソウル・サイクルでは人気インストラクターのクラスを予約するのはまだまだ難しいのが実情。 ペロトンはそんな問題を解決するスピニング・マシーンで、目の前のディスプレーに ニューヨークやロサンジェルスの人気スタジオのスピニング・クラスがライブで1日14セッション放映されるシステム。 すなわち家に居ながらにして、予約無しにそのクラスに参加できるというもので、 もちろんヘッドフォンを付ければ、BGMやインストラクターの声も 実際にスタジオでエクササイズしているのと同様の臨場感で味わうことが可能。
ペロトンのように、インターネットを通じてジムやサーヴィスと連携しているマシンは ”コネクテッド・エクササイズ・マシン”と呼ばれ、これは シリコン・ヴァレーが生み出した 新たなトレンド。


ペロトンが登場したせいで、 株式公開間近と言われたソウル・サイクルへの関心が薄れてきたとさえ言われますが、 ペロトンのユーザーは、家に居ながらして 全米各都市のスピニング・クラスに参加できる一方で、 毎月39ドルのサブスクリプション・フィーを支払うというシステム。 したがって、ソウル・サイクルのような人気ジムはペロトンと提携することによって、 スタジオに通う以上の人々にリーチ出来るメリットがあるのは言うまでもないこと。
ペロトンではライブのクラス以外にも、 随時5000のプログラムにアクセスできるので、自分のスケジュールに合わせてワークアウトをすることも可能です。 ペロトンのスピニング・マシンは約2000ドル。 スピニングに次いで、今ではランニング・マシーンのバージョンも登場していて、こちらは4000ドルという高額マシーン。 どちらも前述のように月々のサブスクリプション・フィーは39ドルです。










6年前に誕生したペロトンは、既に40億ドル企業にまで成長していますが、 ペロトンのデビュー以来、シリコン・ヴァレーが力を注ぎだしたのが、”スマート・ホーム・ジム”、”コネクテッド・エクササイズ・マシン”。
写真上の Mirror / ミラー というプロダクトは、その名の通り 使っていない時はウォール・ミラーとしてインテリアの一部に溶け込んでいるものの、 一度スイッチをオンにすると、ストリーミングでヨガやピラテス、有酸素運動や筋力トレーニングの クラスを映し出すディスプレーに早変わりするもの。
現在はエクササイズのみにフォーカスされているものの、やがては ファッション、ビューティー、メディテーションのインターアクティブ・サービスを行うようになるとのこと。 既にアマゾン・エコーがAIによってファッション・アドバイスを提供していますが、 それが男性、女性を問わずエクササイズから、スキン・コンディションまでもを含めた 総合的なものになるとのこと。
白雪姫の継母のように、鏡とインターアクティブなコミュニケーションをする訳ですが、 現時点ではATMマシーンのようにタッチ・スクリーンでのコミュニケーション。 でも近い将来スマート・スピーカー機能が搭載されることも明らかになっています。
ミラーもペロトン同様に毎月39ドルをエクササイズ・クラスのサブスクリプション・フィーとして支払うシステムで、 本体のお値段は課税前で1495ドルとなっています。





ミラーやペロトンのコンセプトを、ジムのマシーンと合体させて登場したのは、 写真上のTonal/トーナル というプロダクト。 これは使用していない時は壁にインストールされた縦長のTVのようなプロダクト。
でもその両サイドからアームが飛び出して、 何種類ものジムのマシーンと同じムーブメントを可能にするだけでなく、 目の前のスクリーンにパーソナル・トレーナーが登場して、 自分のゴールに合わせたトレーニングのインストラクションを与えてくれるという新しいコンセプトのマシン。
ダンベルやバーベルを使う事無くして ウェイト・トレー二ングを可能にするこのマシンには、 ベンチやアタッチメントが付いているので、この平たいスクリーンを使って、ジムにあるありとあらゆるマシンと同じ エクササイズが可能。 ウェイトの重さはタッチ・スクリーンで調節が可能で、そのワークアウトの記録が逐一ディスプレーに映し出される一方で、 パーソナル・トレーナーがモチベーションを煽りながら、 指示を与えてくれるというシステム。 マシン本体は、約3000ドルでやはりペロトンやミラー同様、月々のサブスクリプション・フィー、39ドルを支払うことになっています。






上はそのトーナルの英語ビデオですが、この平たいスクリーンがありとあらゆるマシンに変わる様子が見て取れます。
”スマート・ホーム・ジム” や ”コネクテッド・エクササイズ・マシン” がターゲットとするのは、 時間が無くてジムに行く時間が無い人々。 もっと具体的に言えば、車を運転してジムに行かなければならない人々で、 これらの人々はたとえジムまでは10分のドライブでも ガレージから車を出して、パーキングに駐車する時間等を含めると、 ジムの往復だけで1時間を費やしてしまうのが常。 ペルトン、ミラー、トーナルといったプロダクトは、それらの人々がジムの往復に費やす時間で ワークアウトが出来るだけでなく、自分がワークアウトをしたい時に 何時でもクラスに参加したり、 パーソナル・トレーナーのサービスが受けられるというフレキシビリティが大きなセールス・ポイント。
でもそれがニューヨークのような街の場合は、 自宅のビルの中にジムがあって、エレベーターに乗るだけでジムにアクセスが出来る人々が多い一方で、 人気があるジムのクラスには社交目的、すなわちそこに来ている他のニューヨーカーとの コミュニケーションを求めて通っているケースが多いので、 こうしたマシンはあまり魅力的とは言えないプロダクト。
でも、シリコン・ヴァレーでは早くもコネクテッド・エクササイズ・マシンが リヴィング・ルームに置いてあるのはステータス・シンボルになりつつあるとのことで、 そうした人々はハイテク・ガジェット気分で愛用しているとのこと。 でもこれらのマシンは 少なくとも現時点では アップルウォッチのアプリや、フィットビット等の フィットネス・トラッカーと情報をシェア出来ないので、 それを不便に感じるユーザーは多いようです。


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