Life and Face of Catwoman, Jocelyn Wildenstein

度重なる美容整形で容姿と財産を失った
キャットウーマン、ジョスリン・ワイルデンスタインの生涯

Published on 1/16/2025


2024年大晦日にパリで死去し、2025年元旦にそのニュースが報じられたのが、欧米では”キャット・ウーマン”として知られる Jocelyn Wildenstein / ジョスリン・ワイルデンスタイン(享年84歳)。 死因は肺塞栓症で、かつてビリオネア・ソーシャライトであった彼女が、100万人のインスタグラム・フォロワーを持つほど欧米で知られた理由は、度重なる美容整形手術を受け、 かつて美しかった容姿を台無しにした姿が人々の興味をそそったため。 彼女の存在は、過度な美容整形への警鐘を促す好例として頻繁にメディアに登場しては、その容姿が人々を驚嘆させていたのだった。

1940年にスイスのジュネーブで実業家の裕福な家庭に生まれたジョスリンは、その美しいルックスが評判で、モデルとして活動した時期もあるほど。 その彼女が社交界で知名度を上げたきっかけは、1970年代後半にアメリカの大富豪アート・ディーラー、アレックス・ワイルデンスタインと結婚したこと。 彼はフランスのアートディーラーで名馬のブリーダーでもあっただったダニエル・ウィルデンシュタインの息子で、当時未だ少なかったビリオネア。
ジョスリンは夫との間に2人の子供を設けたけれど、夫が夢中だったのは浮気とアフリカの野生動物、とくに好んだのがライオンのハンティング。 嫉妬にかられたジョスリンは夫の愛情を得るために 「自分の容姿さえ美しければ夫に愛されるはず」と考え、それが度重なる美容整形手術の始まりなのだった。



離婚してビリオネア、その財産は…


ジェラシーで精神が不安定になっていたジョスリンが目指したルックスは、「猫好きの夫に好かれるはず」ということで猫のような容姿。 それに従って行われた美容整形によって、”キャット・ウーマン”と呼ばれるようになったジョスリンの結婚生活は 1999年に破綻。 夫(写真上中央、上段)からの多額の財産分与を求めるな離婚訴訟が行われたは、2人が当時暮らしていたニューヨーク。 世界のメディアの中心地、NYのゴシップは欧米の社交界のみならず、一般人も知る大ニュースとなり、 裁判はジョスリンが勝利。26億ドルの和解金に加えて、夫が毎年1億ドルを13年間に渡って彼女に支払うという条件で離婚が成立。
ジョスリンの存在が世の中の注目を集めたのは、美容整形によりどんどん変貌を遂げるルックスもさることながら、 それを支払って有り余る財力、”キャット・ウーマン”、”ライオン・レディ”と呼ばれても社交界で華やかに振舞い、常に彼女をエスコートする男性の存在があったためと言われるのだった。
実際に離婚成立のほぼ2年後の2003年から、ジョスリンはファッション・デザイナーのロイド・クラインとの交際を開始。 しかしクラインが既婚であったことから、長年に渡って2人のロマンスは不倫関係で、彼の離婚後に2人は後に婚約。 ところが2016年にはジョスリンがクラインとの大喧嘩の末、ハサミで彼の顔を切りつけて逮捕される事件が起こっており、その現場と言われるのが、他でもない5番街のトランプ・タワー内にジョスリンが所有していたアパート。 その数日後には、今度はクラインが ジョスリンのアパートから”自分の所持品の回収”と称して荷物を持ち出したことで、強盗と暴行の疑いで逮捕されているのだった。 それでも2人の関係は修復され、その後は主にマイアミで暮らしており、彼女のパリでの死を看取ったのもクライン。
しかしジョスリンはクラインに多額の遺産を残した訳ではなく、2018年にメディアに明かしたのが「離婚の和解目的で設立された信託に含まれていた高額絵画のうちの1枚が偽物、 離婚時には3500万ドルと見積もられたセザンヌの絵画も、それを大きく下回る470万ドルで落札された」という事実。 この2枚の絵画の目算違いで、ジョスリンの個人資産は大きく目減りしたものの、一向に高額ジュエリーやデザイナー・クローズ、シューズ、バッグを買い漁り、 ラグジュアリー世界旅行を楽しむ習慣が抜けず、加えて湯水のように大金を注いでいたのが高額美容整形手術とそのメンテナンス施術。 元夫から離婚裁判で獲得した毎年の支払も2015年には終了しており、絵画の問題が露呈した頃には彼女は財産の大半を失っていたのだった。



ジョスリンがこだわった美しさ


美容専門医によれば、ジョスリン・ウィルデンシュタインの美容整形はこだわりのある個所を幾度にも渡って手直しするスタイル。 特にこだわったと言われるのが以下の部分。

彼女の変身ぶりについては、「自分を売り込む手段」と捉える人からは理解が得られたものの、 「自らが求める美の基準への異様なまでの執着」と見なす声が圧倒的。その様子は生前のマイケル・ジャクソンと頻繁に比較されていたのだった。



ジョスリンは気の毒な人生を送ったか?


ジョスリンは、美容整形により美を極端に追及する女性の象徴となり、現代社会における自尊心、アイデンティティ、美しくあることへのプレッシャーについての議論を巻き起こしていた存在。
過去数年はインスタグラムに ロイド・クライン(写真上左の男性)と暮らしたマイアミでのライフスタイルを エアブラシで修正した写真でアップしており、その修正が行われるのは顔だけ。腕や首から下は殆ど無修正。 しかも 「フォトショップ修正をしたのは明らか」というレベルの白々しい仕上がりばかりで、そんな部分にも彼女のルックスのこだわりが顔だけに集中していた様子が現れているのだった。
かつて彼女が「キャット・ウーマン」として世に知られるようになった当時は、「自分が追求する美に捉われる気の毒な生き方」、「もはや抜け出すのが不可能な整形手術中毒」と捉える声が圧倒的であったけれど、 それから20年が経過して貧富の差が開き、彼女が死去した今では 「自分が求める美や贅沢な生活に とことんお金が遣えたのだから、幸せな人生」という声も増えてきているのだった。


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