セレブリティが自らのSNSにポストした写真に見る
ハリウッドのフォトショップ・スタンダードとセレブリティの容姿コンプレックス
Published on 7/4/2024
アメリカでSNSに頻繁に投稿を行う2069人を対象に行ったアンケート調査によれば…
- フィルターを使わずに自分の写真をSNSにポストすることは無い 20%
- フィルターを使った自分の顔の方が、本来の自分の顔より好きである 37%
- フィルターの使用が自分の自尊心や、容姿への自信にに悪影響を及ぼしていると思う 30%
- フィルターを使用する主な理由は、肌をきれいに見せるためである 38%
- フィルターの使用により 自分の容姿の認識が歪んだせいで、フィルターを使用しない自分の画像にショックを受けることがある 23%
この一般人の意識は、SNS投稿のための担当者を抱えて、自分の容姿をフォトショップで修正してきたセレブリティの意識にそのまま当てはまるとのこと。
それでもセレブリティの場合、公の場でのスナップになると多数のフォトグラファーが撮影し、それをフォト・エージェンシーが管理しているとあって、
自分がポストしたフォトショップ後の写真と 同じオケージョンの写真がインターネット上で出回っているのは珍しくないことで、
その比較によって 念入りな修正が行われていることがバレてしまうケースが多いのが実情。
しかしカダーシアン姉妹を始めとするセレブリティが修正写真をポストし続けたことにより、ビューワーが念入りに粗探しをするようになり、
せっかく修正を施しても、それがバレるとイメージダウンになるのはもちろんのこと、
修正のパターンからセレブ本人が抱えるボディ・コンプレックスが露呈することもしばしば。
ここではそんなセレブリティ本人が投稿した写真と、フォトグラファーが公開している同じオケージョンの修正無しのオリジナル・フォトをサイド・バイ・サイドでご紹介。
ハリウッドのフォトショップの傾向や、写真写りのスタンダード、セレブリティのコンプレックスを含む諸事情にフォーカスしていきます。
Demi Moore / デミー・ムーア
年齢の割に若さを保っていることで知られるデミー・ムーア。本人公開の写真は、フォトショップとフィルターで顔も鼻筋もほっそり見せて、ほうれい線を目立たなくして、逆に目を強調しているのは一目瞭然。
加えて彼女は首から肩にかけてのラインが逞しいことがが長年知られるボディ・コンプレックス。そのため本人が公開した写真は首がほっそりして、向かって左側の肩と髪の毛の境目が修正によって不自然に仕上がっています。
Nicole Kidman / ニコール・キッドマン
夫でカントリー・シンガーのキース・アーバンと共にボトックスとフィラーを注入していることで知られるニコール・キッドマン。デミー同様、本人公開の写真ではフィラーで膨らんだ顔がほっそりして
ほうれい線も目立たないように修正。更に長年のボトックスとエイジングで、下がって来た上瞼もしっかり修正して、目力のある眼球に仕上げています。
Penelope Cruz / ペネロペ・クルーズ
ペネロペ・クルーズは若い頃からソバカスがある、日焼けした肌で知られますが、年齢を重ねるにしたがって肌の粗が目立つようになってきたことから、
肌質をフィルターやエアブラシで修正して本人のSNSアカウントに投稿する様子が目立っています。彼女の場合、あまりソーシャル・メディアの影響力とは関係がないポジションとあって、
SNS担当者が優秀ではないことがその修正の仕上がりから見て取れます。
Anne Hathaway / アン・ハサウェイ
アン・ハサウェイは「プラダを着た悪魔」の主演以来、デザイナー・ファッションを着こなすファッショニスタのイメージが定着。
レッド・カーペットやイベントに着用するドレスをデザイナーから積極的に提供されるセレブリティの1人。長身でスリムなボディも手伝って、時に着こなしが難しいドレスにチャレンジするケースもある彼女ですが、
写真上は明らかにミスチョイスのアウトフィット。フォトグラファーは、セレブリティが失敗ドレスを着用している場合、ファッション・メディアがワースト・ドレスの特集に使えるようにと、
あえてドレスの粗が目立つショットも撮影しておく傾向にありますが、一方の本人はそんなイメージダウンを避けるために 顔は見えなくても、ドレスを着用した彼女のスタイルが良く見える、雰囲気が良いショットを公開しています。
Lady Gaga / レディ・ガガ
ヘビーなステージ・メークを施すのはレディ・ガガにとって珍しいことではありませんが、本人公開の写真では、アイメークが薄くなり、眉も細く修正。
濃すぎるメークをフォトショップによるデジタル・メークで緩和修正しています。
Charlize Theron / シャリース・セロン
オリジナル・フォトも十分美しく、ナチュラルで、人によってはオリジナルの方を好む声もあるようですが、
SNS担当者がハリウッド・スタンダードのフォトショップを行うと、例によって小顔、ぱっちりした明るい目、シワや陰影の無いのっぺりした顔に仕上がります。
Jessica Alba / ジェシカ・アルバ
今や女優ではなく、ビジネス・ウーマンとして多忙なジェシカ・アルバ。それだけにフォトショップは、「写真写りの違い?」と思わせる程度の控えめなもの。
ですが顎のニキビのような突起と、肌の粗、ほうれい線がきっちり隠されていて、真摯な姿勢を見せながらイメージダウンにならない修正がされています。
Ana De Armas / アナ・デ・アルマス
アナ・デ・アルマスのオリジナル・ショットはカンヌ映画祭のレッドカーペット上のもの。本人公開のショットは、遥かに細身で顔もホッソリした仕上がり。
若く、スタイルが良いセレブリティは、見る側も修正を疑わない傾向にありますが、彼女の場合、レッドカーペット上のオリジナル・ショットは経験不足による
未熟な立ち姿を捉えられた印象。本人のポストは、実際ほり細すぎる仕上がりです。
Katy Perry / ケイティ・ペリー
写真上はMETガラに登場した日のケイティ・ペリー、本人のショットは当然のことながら細身でヘッドベールで被われた顔も小顔。オリジナルはなで肩で、ケイティの本来の体型と顔立ちで普通に写っています。
彼女もアナ・デ・アルマス同様、ポーズの立ち姿が上手くないセレブの1人で、ジェニファー・ロペスやニコール・キッドマンなど隙を見せないセレブリティとは全く異なる意識のようです。
Natalie Portman / ナタリー・ポートマン
多くのセレブリティ同様、顔を細く、顎をとがらせ、顔のシワや凹凸、首のシワを修正し、目を明るくした仕上がり。
唇の形も見事に改善されています。また彼女は独得の耳をしていて、それがコンプレックスなのか、耳たぶの凹凸が目立たないようにも修正されています。
Amanda Seyfried / アマンダ・サイフリッド
写真上はエミー賞を受賞した際のアマンダ・セイフリッド。本人公開の写真の方がスリムで、腕がほっそり見え、またドレスのカラーを観ても分かる通り、全体的に写真を明るくしているので、肌も髪の毛も明るい写りになっています。
Eva Longoria / エヴァ・ロンゴリア
「デス妻」で知られるエヴァ・ロンゴリア。ラテン系の濃い顔立ちに、しっかりメークをする彼女なだけに、本人公開の写真は明るさを調節して全体を薄く仕上げ、更に
こめかみの筋から、顔に掛かる後れ毛までもを消しながらエアブラシで肌をスムースに仕上げています。
Cara Delevingne / カーラ・デルヴ―ニュ
美女モデルでも、フォトショップやフィルターを使用する例。さほど変わらない印象ですが、目を強調し、肌から青いトーンを除去。
より顔がほっそり見えるショットを選んで、修正が行われています。
Kate Hudson / ケイト・ハドソン
左右の写真は、「体重にして8キロは違うはず」と指摘されていますが、逞しさを抑えて、よりスリムに、焼けた美肌に仕上げられています。
Kendall Jenner / ケンドール・ジェナー
カーラ・デルヴィーニュ同様、若いモデルでもフォト修正をする恒例。右側は彼女の典型的な写真写りが悪い時の表情。左側はカダーシアン家の一員としては控えめですが、
それでもフォトショップが施されて、コントアーのある のっぺり顔になっています。
Jennifer Lopez / ジェニファー・ロペス
ジェニファー・ロペスの実物が写真よりも肌の老化が著しいのは、ハリウッドの公然の秘密。彼女もはカダーシアン・シスターズと並んで、SMSの投稿写真をことごとくフォトショップ修正することで知られるセレブリティ。
フォトショップ後は、肌の粗が修正され、顎のラインが強調された、ほっそりした小顔で、目力が増しているのが常。54歳としては若々しいジェニファーですが、
フォトショップ後の写真のような完璧さは、人間である限りはあり得ないという印象になっています。
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