
もうかれこれ20年以上、頻繁にサイトにお邪魔してお買い物をしています。特にバッグとジュエリーは見た目もコスパも素晴らしくて、感動ものです。
今日はご相談にのって頂きたくてメールをいたしました。
私には4歳年上の兄が居ます。兄は若い頃はかなりモテたタイプでした。大学時代には某雑誌に当時の彼女と読者モデルとして載ったこともあり、
モテたがり、カッコつけたがりは年齢を重ねても健在だと思って見てきましたが、さすがの兄も年齢には勝てません。
生え際が上がって、髪の毛も薄くなってきて、顔立ちもオジサンという雰囲気になって、お腹も少々出てきました。
でも幸い高収入で、見るからにブランド物の服や持ち物なので、高収入男性を狙っている若い女性のレーダーに引っ掛かるようですし、
女性や後輩との食事や飲み会では必ず払ってあげるので、年齢を重ねてもチヤホヤされ続けてきました。
そんな兄が2年ほど前に”卒婚”と称して円満離婚をしました。元義姉(兄の元妻)や甥と姪(兄の子供)とは定期的に会って、仲良くしているようで、
別れた数ヵ月後の58歳の時に 34歳の女性と交際を始めて、現在は一緒に住んでいます。
私を含む周囲は「本人達が皆が幸せならば…」と祝福モードだったのですが、先日久々に親族の集まりで兄に会ってギョッとしました。
明らかにボトックスとヒアルロン酸を打った顔になっていたからです。
私もボトックスと、ヒアルロン酸は40代後半で打った経験がありますが、その時のピンと張った肌の感触とか、
笑っても目の周りに1本もシワが出来ない不自然さが気になって止めてしまいました。今の兄はその時の私の顔を更に硬直させて膨らませたような感じです。
思わず「顔、いじったでしょう?」と兄に尋ねると、「彼女が若いからさ、年寄り臭いとパパ活みたいに見えちゃうじゃない」とか言っていましたが、
兄の交際相手はもう36歳ですので、パパ活なんて出来る年齢ではありません。
聞けばボトックスは彼女と同じクリニックで打っているそうで、「お前もそろそろやったら、シワ目立つよ。(クリニックを)紹介しようか?」と憎まれ口を叩いて、
私よりシワがない顔で自分では若返ったと思い込んでいますが、正直言って我が兄ながら気持ち悪いです。
兄の顔は久々に会った親族の間でもヒソヒソ話の対象になっていて、本人が思っているような若返り効果ではありません。
昔は美意識が高くて、ちょっとヘアカットを失敗しただけでも 気にする兄だったのに、
何故ヒアルロン酸やボトックスで不自然になった自分の顔には平気でいられるのか、私には理解できません。
親族には「美容施術を止めさせないと、兄がそのうちXXXXみたいになってしまう」とTVタレントの名前を挙げて心配されてしまい、
私が何とかするべきという雰囲気になっていますが、兄はもう大人を通り越して立派な高齢者ですので、
「好きな事をやらせておくべき」と 少々投げやりな気持ちが強くなっています。
今のところは「忠告はしても、それ以上の口出しはしない」という方針で考えていますが、秋山さんだったら兄にどう話されるでしょうか。
長年の読者なので、秋山さんも「以前ボトックスを打っていたけれどやめた」とコラムに書いていらしたのを覚えていますが、秋山さんが止められた理由なども含めて、
何か有効な忠告方法などがあればアドバイスして頂けると嬉しいです。
よろしくお願い致します。
ー S ー
これは私の勝手な憶測ですが、もしSさんのお兄さまが メールの文面通りのコンディションである場合、
兄さまは卒婚以前から注入型トリートメントを始めていらしたように思います。よほどの量を打たない限りは、たった2年でそこまで不自然なお顔になるのは難しいように感じる次第です。
ボトックスの効果で若返りを実感して、社交や恋愛に積極的になるのは男性も女性と同じですので、ひょっとしたらそれがお兄さまを卒婚に走らせたのかもしれません。
私自身は、43歳の頃から秋分と春分の年2回ペースでボトックスを打っていて、ヒアルロン酸には価値を見出したことはありませんが、
ボトックスは払ったお金の分の確実な効果があると思っていました。
ですが私もボトックスのピンと張った肌が嫌いなのと、20代の笑顔を観察していても笑いジワが出来るのが自然なので、シワを無くすことより老化を遅らせることを目的にしていました。
ボトックスを止めたのは、美容施術の大家と言われるドクターが「2002年に美容施術としてFDAに認可されたボトックスを長年打ち続けた臨床例がないので、
顔の筋肉を麻痺させ続けた結果は予測不可能」と語っていたこと、そして40歳を過ぎてからの大きいシワの原因は頭蓋骨の縮小、顔の筋肉の衰えによるもので、
その双方の進行を早めるボトックスを打つことが長期的に逆効果に思えたためでした。
ボトックスを止めてもう5年以上が経過しますが、今の方がボトックスを打っていた頃より、額にシワはあっても 皮膚に厚みがあって、
回復力があるうちに止めておいて本当に良かったと思っています。
アメリカ社会、特にジェネレーションZの間では、ピンと張ってテカテカした薄い皮膚の額、不自然に高い頬骨と厚めの唇は 逆に老けた印象に見られるので、
シワが無い状態が必ずしも若さを示す訳ではなくなってきています。
美容施術も、タバコやアルコール、ギャンブル、SNS同様、中毒性があります。
世間で指摘される中毒性やそれに伴う問題は「自分には起こらない」と都合良く考えたり、「その程度のリスクは何をするにも付き物」と危険を軽視するうちに
エスカレートして、善意で止めてくれる人を敵視したり、侮蔑、罵倒するのが中毒者で、心配する側が親身になればなるほど、
本人から疎ましく思われるのが常です。
私は「困っている人が居たら、自分が出来る範囲で助けてあげるべき」という考えの持ち主ではありますが、「相手が困っている」、「今後困るだろう」と勝手に判断して
頼まれてもいない救いの手を差し伸べるのは、特に成人に対しては控えるべきとも考えています。
相手にとってその善意はお節介や余計な口出しにしか聞こえませんし、人間関係に亀裂が入るきっかけにもなります。
お兄さまの顔がこれ以上悪化する前に どうしても止めさせたいとお考えの場合は、
姪さん、甥さんからお兄さまの不自然な顔について忌憚のない意見を本人に語って頂く方が、Sさんが忠告されるより遥かに効果的です。
実子であればお兄さまに辛辣なことを言っても、よほどでない限りは関係が拗れることはありませんし、
若い世代から自分がどう見えているかは お兄さまに大きな精神的インパクトをもたらすはずですので、
多少なりとも危機感を抱くかと思われます。
昨今では、ブラッドリー・クーパーのようなハリウッドのイケメン俳優さえ、自分より20歳年下のスーパーモデル、
ジジ・ハディドとの交際にあたって美容施術に走った結果、不自然な顔になった様子が取り沙汰されていましたが、
男性にとっては年齢を重ねてからも 若い女性と付き合えることは、自分のエゴを最高レベルで満たしてくれるステータス・シンボルです。
男性が若い女性を好むのは言うまでもありませんが、自分が若い女性と付き合えるだけの若さと体力、魅力、異なる世代とも共感出来る脳の柔軟性を
備えていると捉えて、自己肯定感が大いに高まりますし、成功した男性ほど手に入れたがる ”人も羨む永遠の若さ” が自分に備わっていると
錯覚するケースも少なくありません。
しかし女性でも男性でも、ある程度の年齢を重ねてしまうと、周囲は顔のしわの本数などに関心は払っていません。むしろ全体の雰囲気に大きく影響する髪の毛の方が
遥かに外観の若さに影響します。さらに若さを演出したければ、体系をある程度スリムに保って、正しい姿勢とキレのある動きして、
変に落ち着いた年相応ファッションではなく、洗練されたモダンな服装を心掛けるべきです。
顔について言えば、見る側が若さを感じるのは 白々しくないレベルで表情が豊かであることで、その方がシミやシワが無い ボッとした顔よりずっと若い印象になります。
「年齢に伴ってシワは増えたけれど、いつも活き活きしている」という人の方が、女性でも男性でも遥かに魅力的です。
また男性の場合、年齢を重ねてシワが出来てからの方が顔立ちが良く見えるケースが 女性より遥かに多いのは紛れもない事実です。
でも究極の若さのポイントはオーラにエナジーがあって、存在感がアピール出来ることです。これは年齢が若くても持ち合わせていないケースは少なくありませんが、
悪い因子を感じさせる人ほどオーラが弱い人を好むので、若さとは無関係にオーラを強く保つことはとても大切です。
一般的に自分に自信が無い人ほど 「木を見て、森を見ず」という感じの 人が目に留めない部分に注力した、偏ったアンチエイジングをしがちですが、
人生を大きな視点で捉えれば、捉えるほど、心身の健康こそが若さに直結する最も大切な要素です。張りぼての表面的な若さなど手に入れても全く価値が無いのです。
”エイジング”は、赤ん坊でさえ 生まれた瞬間から「成長」という名目でやっていることです。
やがて成長がピークに達すると、ヒト成長ホルモンの分泌が減って、脳や肉体の老化が始まります。
これは人間である限り避けられない運命ですが、
世の中には老化のプロセスを成熟に転換させて生きる人も居ます。
成熟のステージに入るのは、無理に若さを保っている人ではありません。
ある程度年齢を重ねてしまえば、どんなにお金や労力、最新科学をつぎ込んだところで、若さという評価基準においては 実際年齢が若い人に勝てるはずはありません。
自分の「維持」が「意地」になってしまうと、むしろ老化は早まります。
これについては長くなるので また別の機会でコラムに書こうと思いますが、
老化というのは放置しても、構い過ぎても進むものなので、俗に言う「ツンデレ」の姿勢で、
Agingを成熟のプロセスに導くこと、「若く見せるより年齢不詳を目指すべき」と私は考えます。
Yoko Akiyama
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執筆者プロフィール 秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。 |


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