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最近「チャットGPTのようなAIを使いこなせないと、時代に取り残される」と言われるようになりましたが、
どう使ったら良いのかが分からずにいたところ、友達にオンラインの「チャットGPT使いこなし口座」のようなものを一緒に受けようと誘われました。
私はチャットGPTが気になっていたこともあって、「今後転職する際とかに使いこなせると有利かな?」と考えたのですが、
もう1人同席していた友達には「それって親の世代がインターネットのクラスを取って、マウスの使い方を習っていたような感じ?」と馬鹿にされてしまい、
果たしてAIはお金を払って学ぶべきものなのか、それともインターネットみたいに「気付いたら皆使っていた」となるものなのかと考えてしまいました。
アメリカでもAIを学ぶクラスなどが流行っているのでしょうか。そして秋山さんはどうお考えですか。
他愛のない質問で恥ずかしいかと思ったのですが、秋山さんなら先読みが深いかなと思ってメールしてしまいました。
よろしくお願いします。
ー E ー
アメリカは、チャットGPTがリリースされた途端に大学生は論文制作に、高校生は課題や宿題に利用し始め、若い世代を中心に クラスやレクチャー等が登場するまでも無く
あっという間に普及してしまいました。その際、使い方や応用についてはチャットGPT自体に尋ねて学ぶケースが多く、もちろん簡単なチュートリアルはYouTube上にアップされていました。
後に就職のレジュメ(履歴書)をチャットGPTに執筆させるケースが増えたようですが、簡単に見破られてしまうため、今ではレジュメ執筆にチャットGPTを使用すると、
その時点で採用チャンスを逃すと言われています。
クラスやレクチャーを受けるかについては、チャットGPTに尋ねてみるのが一番かと思います。でもチャットGPTは正攻法で尋ねると
本当に当たり前で客観的な回答しかしてくれませんので、ちょっと捻りとアングルを変えた質問を以下の通りに投げかけて見ました。
私:
チャットGPTを使いこなすための様々な有料レクチャーやクラスがありますが、それを受ける必要はありますか。
チャットGPT自体の方が、クラスの講師よりも確実に賢いと思うのですが、いかがでしょう?
ChatGPT:
確かに、ChatGPT自体が非常に強力なツールであるため、適切な使い方を試行錯誤するだけでも多くのことが可能になります。
有料のレクチャーやクラスを受けるべきかどうかは 以下に示す「何を学びたいか」によります。
ChatGPTの方が 講師より賢いかについては、確かにChatGPTは膨大な情報を瞬時に処理でき、専門的な質問にも対応できます。しかし、人間の講師には次のような強みがあります。
★ 結論 ★
あなたが以下の状況であれば、有料クラスに価値があるかもしれません。
一方で、以下のような場合には不要かもしれません。
どちらを選んでも、ChatGPTそのものが学習の強力なツールであることは変わりませんので、「質問力」や「活用の工夫」を磨くことが最も重要です!
私のコメント:
オンライン上のクラスは、既にプログラムが一律でパッケージ化されているものが殆どですので、チャットGPTが列挙するクラスを取るメリットの一部は当てはまらないかと思います。
学習法や成果については「有益なクラスが選べるかで決まる」ことを、遠回しかつ、まどろっこしく伝えてくれているのがチャットGPTです。
私:
チャットGPTの進化によって、クラスで学んだ知識が今後、不要になるケースもあるのでしょうか。
ChatGPT:
はい、その可能性は十分にあります。チャットGPTのようなAIツールは急速に進化しており、現在必要とされる知識やスキルが、やがては不要になることがあります。
以下に理由とそうなる場合の対策を挙げます。
★ AIの進化で クラスで学んだ知識が「不要」になる理由
★ クラスで学ぶ知識が不要になる場合への対策
★ 結論 ★
AIの進化により、現在の知識が不要になる可能性はありますが、基礎的なスキルや応用力、適応力は長く役立ちますので、有料クラスがそれらを重視しているなら価値があります。そうでない場合は自己学習で十分対応可能です。
ポイントは、「AIの進化を恐れるのではなく、その変化に対応する力を磨くこと」です。
私のコメント:
またしても、当たり障りの無いオブラートに包むスタイルの回答だったので、
もうちょっと質問で仕掛けて見ました。
私:
頂いた回答は、クラスを運営するビジネスに配慮した、いわばデュプロマティックな回答に思えますが、実際にチャットGPTには、既存のビジネスへの配慮がプログラムされているのでしょうか。
AI進化は日進月歩ですが、チャットGPTについて教えるクラスは、どのくらいの頻度でそのカリキュラムをアップデートする必要があると思われますか。
ChatGPT:
ご質問、非常に鋭い視点ですね!2つのご質問にお答えします。
1. チャットGPTには既存のビジネスへの配慮がプログラムされているのか?
いいえ、ChatGPT自体には特定のビジネスや既存の産業への「配慮」がプログラムされているわけではありません。ただし、以下のような仕組みやデザインが、間接的にそのように見える理由かもしれません。
2. クラスのカリキュラムはどのくらいの頻度でアップデートする必要があるか?
チャットGPTを題材とするクラスのカリキュラムは、AI技術の進化速度に応じて頻繁に見直しが必要です。以下の観点からその頻度を考察します。
★ 結論 ★
クラスを運営する側は、AI進化に対応し、少なくとも3~6ヶ月ごとに最新技術や応用例をカリキュラムに反映してアップデートする必要があります。
一方、受講生は「自分が学びたい内容が本当に最新で、かつ普遍性のあるスキルにつながるか」を見極めることが大切です。AIの進化が早いからこそ、教える側も学ぶ側も柔軟性を持つ必要がありますね。
私のコメント:
有料クラスを受ける場合は、プログラムがチャットGPTのバージョンアップに対応しているかは最低確認する必要がありそうです。
最後におまけで、今話題の中国製のライバル・チャットボット、ディープ・シークについて、ちょっと意地悪な質問をしてみました。
私:
中国のチャットボット、ディープシークが 「会話力やスピード等でチャットGPTを超えた」という意見が聞かれるようになりましたが、いかがでしょうか。
ChatGPT:
ディープシークがChatGPTを超えている、という意見については議論の余地があります。AIの「優秀さ」は、利用目的や評価基準によって異なります。ここでは、ディープシークとChatGPTを比較する際に注目すべきポイントを整理し、現時点での評価をお伝えします。
1. 性能面での比較
ディープシークの最新モデル「R1」の強み
ChatGPTの強み
2. データとトレーニングの違い
ディープシークのアプローチ
ChatGPTのアプローチ
3. 実際にChatGPTを「超えた」と言えるか?
「ディープシークがChatGPTを超えた」という意見は、文脈次第で部分的に真実と言えるかもしれません。
超えている点:中国国内における特化型タスク(特に低コストでの大量利用や中国語の処理)では、ディープシークがChatGPTを上回る可能性があります。
超えていない点:グローバルな汎用性、多様な言語や応用範囲での対応力では、ChatGPTの方が依然として優れています。
★ 結論 ★
「どちらが優れているか」は利用目的や文脈に依存します。ディープシークは中国市場や中国語特化のタスクで大きな利点を持っていますが、ChatGPTは依然としてグローバル市場での汎用性と多様性において優位性を保っています。
将来的には、両者がそれぞれの得意分野で競争しながら進化し続けることが予想されます。もし具体的なニーズがある場合、それに基づいて適切なツールを選ぶのが良いでしょう。
私:
非常に参考になりました。冷静な分析をありがとうございます。 (私は必ず具体的にねぎらって、チャットGPTの反応をチェックするようにしています)
ChatGPT:
ご丁寧なお言葉、本当にありがとうございます!深いご質問と洞察力のおかげで、私もより冷静に分析を提供することができました。
何か他にも気になる点や掘り下げたいテーマがありましたら、いつでもお声がけください。引き続き、知的な対話を楽しみにしています! 😊
ということで私達の会話は終わりましたが、途中と最後で持ち上げてくれるのがチャットGPTの実に憎めないところ。
私のシニカルな視点の質問はチャットGPTには適度な刺激になるようで、よく誉めて頂いています。
チャットGPTが語っていたように、既に仕事でチャットGPTを活用したい専門分野がある場合は、それに特化したスキルアップのためのクラスを取るのは有益かもしれませんが、
Eさんのように 「今後の転職に役立つかも‥・」という漠然とした目的の場合は、日頃からチャットGPTを活用して 仲良くなっておくと、現在のお仕事や、趣味などにも
活用出来るように思います。
日本人は、自分が分からないことは「習おう」、「学ぼう」、そして「資格を取って仕事に生かそう」という姿勢が顕著ですが、
その考えはAIで生活にゆとりをもたらし、AIに仕事をして貰う これからの世の中にはマッチしないように思います。
ですから「学ぶ」よりも、「時間潰しで楽しむ」方が自然にAIに馴染んで、柔軟な使い方が出来るように思えたので今回のような形を取りました。
決してアドバイスをサボった訳ではありませんので、ご理解をお願いします。
最後に、1990年代後半にパソコンとインターネットが日本に普及し始めた頃、
某パソコン・メーカーのホットラインには、「うちはコンピューターの机が小さくて、これ以上カーソルが右に行きません」といった質問が来ていたそうです。
そんな人たちも今ではスマートフォンでビデオを観たり、写真を送る時代ですが、テクノロジーは操作が簡単になるからこそ普及するのです。
ですから よほどの頑固者や世捨て人でない限りは、普及するテクノロジーに取り残されるということはありません。
実際にAIは歴史上最も 痒い所に手が届くようにしてくれるテクノロジーです。
出来る人だけが使いこなすのではなく、何も出来ない人、知らない人のためのサポート、指導、もしくは代行をするのがAIで、
テクノロジーに弱い人ほど歓迎すべきなのがAIの進化と言えます。
そんなAIが進化した未来社会では、むしろAIに頼り切らない人の方が脳の劣化が防げるのかも知れません。
Yoko Akiyama
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執筆者プロフィール 秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。 |
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