Nov Week 4, 2024
Is This Spiritual Awakening?
友達に甘えて実現する覚醒の旅?!


いつもサイトにアクセスさせて頂いています。
日本人の夫と北米在住です。先日、私達夫婦共通の学生時代からの友人が早期退職制度でリタイアし、若い頃から夢だった世界旅行をしながら自己覚醒を目指すと聞きました。 その友人をAとすると、Aは同じ企業でずっと働き、嫌な上司に取り入ったり、会社の方針に不満を持つ生活に疲てしまい、精神世界に興味を持つようになり、 瞑想を始めてから いろいろなことに目覚め始めて、もっと人間らしく生きようと決心したそうです。 時間はたっぷりあるので、向こう2年を掛けてアメリカ50州と世界50カ国のパワースポットを巡るそうですが、早期退職でも退職金はあまり多くなかったので、 「飛行機代を含む交通費は自己負担で、あとは世界各地に住む知り合いや友人の協力を得ながら節約旅行」と言い、案の定、我が家に出来れば2週間、最低でも1週間滞在したいと言ってきました。
でも私達は共働きで、ティーンエイジャーの子供も2人居て、毎日が戦場のような生活です。未だ子供が小さい時にAを5日ほど泊めてあげたことがありますが、 その時でさえ 朝から大食いの彼のための食事の準備や洗濯、帰った後の掃除でウンザリした記憶があります。

私は断るつもりでしたが、夫はAの旅行を応援している男友達2人から頼まれて「前と同じ5日くらいだったら協力出来ないか?」と言い出したので喧嘩になってしまいました。 Aは学生時代から口が上手く、相手の気持ちを考えずに突っ走るところがあるので、一時は営業マンとしてかなりの数字を上げていたようです。 そういう性格なので海外に住む友人や知り合い全員に 「知り合いが居ないけれど行きたい国と場所のリスト」を送付していて、「ここに知り合いが居たら紹介して欲しい」と言って、他人に頼ることしか考えて居ません。 A曰く「友情のネットワークで夢が叶うかのチャレンジ」でもあるそうで、スピリチャル系旅行YouTuberとして旅の様子を発信しながら、 若い世代にお金が無くても世界が周れることをアピールしたいらしいです。
先日夫と一緒に断ろうとしたのですが、Aは「もし俺がリストラされて、生活に困ってたら1週間くらい泊めてくれるよね。 お前らが困ったら、俺だって同じように助けるよ。だからリストラされたと思って、夢の実現にも協力してほしい。 人生持ちつ、持たれつだからさ」というようなことを言って来ました。 私は内心「私達が困っても、絶対に助けないくせに!」と思いましたが、 心が貧しい人間のような反論しか出来なくて、スピリチャルに理論武装しているAの方が正しいように周囲に吹聴されてしまいました。 他の海外に住む友達にも連絡しましたが、何故か普通の旅行と別格扱いになっていて、迷惑だと思っても断わり難い雰囲気が出来上がっているようで、 改めてAのずる賢さに感心しています。
そこで断るための、Aに論破されないアドバイスを頂けないでしょうか。よろしくお願いします。

  ー H ー


世の中をダメにする人、それを助ける人


私は本当に困っている人が居たら、自分が出来る範囲で助けてあげる主義ですし、他人に対してもそれを奨励する立場ですが、 特に困っても居ないのに周囲の好意に甘えることばかり考える人は、たとえどんなに頼まれようと、 他の人が全員助けていたとしても、それに加わる必要は無いと考えます。
本当に困っている人は、受けた恩や感謝の気持を決して忘れませんし、自分に良くしてくれた本人に恩返しが出来なくても、 誰か他に困っている人がいた時に助けようとするので、その連鎖が良い世の中の構築に繋がると私は信じています。 また熱心に頑張る人に助けの手が差し伸べられることは、同じように頑張っている人にとっても励みになります。
ですが特に困っても居ない人、本来自分でやるべきことを他人に頼る人、最初から他人の力や好意を見込んで計画を立てる人のために尽力するのは、 不適切に甘やかすだけで本人のためになりませんし、相手のためにしたこと、そのために費やした時間や労力は 直ぐに忘れられるだけで無駄になります。 そして親切にした側には「利用された」、「結局は自分が楽をしたいだけの身勝手だった」といったというネガティブ感情が長く残りますので、 それがきっかけで「余計な事には関わらない主義」を形成して、 本来助けてあげるべき人に手を差し伸べない習慣がついても不思議ではありません。
人間は悪い経験から学んだ教訓を、消極的かつ否定的な方向に使う傾向がありますので、 周囲に甘えて嫌な思いをさせる人は、世の中から人の好意や親切の芽を摘み取っているとも解釈できるのです。 特にAさんのように「人生持ちつ、持たれつだからさ。」というセンテンスや「困っている時はお互い様」という台詞を、自分が助けた相手に語るのではなく、 自分が救けを求める時に使う人は、自己中心的な考えしか持っていないのです。

限られた時間とエネルギーの使い道こそが…

言うまでも無く、人間には毎日限られた時間とエネルギーしかありません。 1人1人がその限られた時間とエネルギーを直接的でも間接的でも、本当に注ぐべきものために有効に使うことが生まれて来た使命であり、 それこそが世の中を良い形で変化させると私は考えます。その意味で 野球に全てを注いでいる大谷選手は本当に素晴らしいと思いますし、若い世代が彼をお手本にするのは非常に良いことだと思って見ています。
よく「今の世の中は間違っている」、「世界が良くなって欲しい」と考えながら、「だからといって自分1人では何も出来ないし、何をしたら良いのかも分からない」という人がいますが、 1人1人がやるべきこと、正しいと思うことを行い、助け合うべき時に助け合い、休むべき時にはしっかり休息を取って、健康的に生きることこそが 世の中を良くすると考えるべきなのです。 そのためには身勝手で傲慢な人に不本意に振り回されたり、下心から人格的に劣悪な人物に媚びたり、 しなくても良い我慢をして自分を押し殺すといった歪んだ行動から正していくべきなのです。
そういう行動を日頃から知らず知らずのうちに、もしくは不本意でも流されて行っていると、他人に頼って世界旅行をしようという身勝手さを「自己覚醒のため」だと美化する意識や価値観が生まれてしまうのです。 そんな意識や価値観の歪みから、世の中のためにならない人にばかり塩を送る人生を大勢の人々が送っているのが今の日本、アメリカを含む世の中全般です。

今、世界各国のスピリチュアル系YouTuberが、”新世界に移行する選ばれた人間になるための覚醒”を取り沙汰する傾向にありますが、私は覚醒というものは 誰かに心から感謝されて清々しい気持になった時、自分の存在を超えた目標を達成して心が高揚した時などに生み出される 清々しいまでのポジティブ波動を感じ続けることで実現するものだと考えています。 その波動によって自我から解き放たれると、目先の利益を追いかけたり、どうでも良いことで悩んでいた人でも、生きることが素晴らしく感じられ、全てを愛せる心理に到達することができます。 そんな自我を解き放った状態が日常になるのが覚醒です。
そもそも人類は正しいことをして、遣るべき目標を達成すると幸福感が得られるように本能的にプログラムされているだけでなく、 本当に救いを求めている人とそれに応えることが出来る人同士が引き合うようにデザインされています。 だからこそ人間は見ず知らずの人を、何の恩恵も期待せずに助けることが出来るのです。 言い方を変えれば、人間は正しい生き方さえしていれば 覚醒など目指さず、パワースポットなど巡らなくても、ポジティブ波動を生み出し続けることで やがては覚醒に導かれる生き物です。 逆に余計なことや、世の中のためにならないことに時間やエネルギーを注いでいれば、 同じように人生を無駄にしたり、他人を利用する仲間を引き寄せ、何のために生きているのか分からない人生が続きます。

自分が正しいと思うこと、遣るべきことを実践し、相容れない事を断るのには説明や言い訳は要りません。 一貫してその姿勢を貫き、毅然と行動することが周囲へのストレートなメッセージになります。 もし断る段階でAさんに食い下がられたのなら、「覚醒」という壮大な目標を掲げるAさん本人に 断られる理由を考えさせるべきです。
日本では過去数年、「断捨離」がもてはやされてきましたが、本当に断捨離すべきは家の中より頭の中、 行動や言動であることを一度真剣に考えてみるべきだと思います。 余計なことに捉われなければ、人生にはもっと素晴らしく、大切なことが沢山ありますし、そのために時間とエネルギーを有益に使えるはずなのです。

Yoko Akiyama



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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。
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