June Week 4, 2024
FAQ During My Stay in Japan
日本への一時期国中に最も尋ねられた質問


今回はアドバイスをお休みして、5月半ばから6月初旬までの私の日本への一時帰国中に、最も日本の知人、友人から訪ねられたことについて書かせて頂きます。
私は日本に一時帰国をするタイミングは毎年5月と決めていて、理由は航空会社が夏休み料金になる前で、日本は梅雨入りの前。気温が上がっているので薄着で居られる分、荷物が少なくて済むため。 昨今はドル高、円安なので、何でも安く感じられるかと思って出掛けたけれど、毎年一時帰国をしている立場としては、やはり昨年の価格と日本円で比較してしまうだけに、気になったのが日本のインフレ。 特に外国人旅行者の多さを反映して ホテル代がアップしていて、予約を入れるのも大変。 東京では本当に嫌というほど外国人旅行者を見かけたけれど、以前よりも人数が多いグループや、若い旅行者が目立っていたのが今回。
日本の友人達にインフレについて尋ねると、やはりそれぞれに物価の値上がりを痛感していて、逆にドルで生活している私には「日本は何でも安いでしょ?」と尋ねてくるのが定番。 確かに日本は何でも安いけれど、そのせいで複雑な気分を味わったのが 日本でスーパーに出掛けた際。 パン売り場に並んでいた某ブランドの1斤4枚切りのパッケージが148円で売られていたけれど、全く同じ食パンをNYの日本食材店で購入すると、1ドル100円時代でも高いと思える6ドル50セント。 これを私がコラムを書いている日のレート(1ドル=157円)で日本円に直すと、1021円。 NYで買っている刺身用の魚の値段にしても、日本の値段に比べると約5~6倍。
そのため、今回の一時期国で私は日本の物価の安さよりも、NYの物価、特に日本食材が如何に高額かを痛感することになったのだった。


日本の友人のNY関心事


日本滞在中、久々に出会う友人たちに必ずと言って良いほど尋ねられたのが、「久しぶりに戻って来た日本って、どんな風に見える?」という質問。
これについては、前述の「外国人旅行者が益々増えている」というのが第一印象。それ以外は例年と特に異なる印象は受けなかったけれど、 日本に初めて出掛けた私のNYの友人達の印象は、「街がキレイ」、「トイレがキレイ」、「食べ物が安くて美味しい」、「人が親切」、「公共交通機関の乗り換えが難しい」というのが日本の印象トップ5。 このトップ5は、ここまで円安が進む遥か前から不動のものなので、日本は基本的に食べ物が安く、チップが要らない分、飲食代が安く上がると思うのだった。
でも個人的に 今年味わった日本の食べ物は、他国に比べればハイレベルで、安定して美味しいとは言え、昨年よりもクォリティが下がったという印象。 ベーカリーのパンが小さめになって、パサパサだったり、逆に脂っぽかったりと、コンディションが安定していなくてガッカリしたり、 楽しみにしていたデザートがYouTubeで観るほど美味しく無かったり…という失望が続いたのが今回。
これは私だけではないようで、NYに戻ってYouTubeのショート動画を見ていたところ、ジャスティン・ビーバーが来日した際に気に入ったベーカリーを訪れた外国人女性が 失望のレビューを寄せており、日本の友人からも「一時バズッた店ほど質が落ちている」という指摘が聞かれていたのだった。

他によく尋ねられたのは「NYもインフレ?」、「NYの景気は?」、「治安は悪くなっている?(もしくは、不法移民のホームレスが多いんでしょ?)」というもの。 インフレに関しては ”Big Yes”。 NYの景気に関しては 「感じ方は人によると思う」というのが正直なところ。 NYを久々に訪れた旅行者の間では 「街に元気がない」という声もあるけれど、今やお金を使うニューヨーカーはプライベート・クラブ&レストランに出掛けていて、ジムもプライベート。 旅行者とは無縁の場所で、社交と遊びが繰り広げられているけれど、そのNYのレストラン業界は空前のキャビア・ブーム。 NYがショボい街になっていたら、今年に入ってキャビアの消費量が激増することなどあり得ないと思うのだった。

治安に関しては、世の中が悪く報じるほどNYが危なかったら、さすがに度胸が座っているニューヨーカーでも住めないというのが私の正直な意見。 やはり財産が有る人々が沢山暮らし、普通にナイトアウトを楽しんで、歩いての移動を好む住人が多い街なのだから、常識的なレベルの治安が保たれているのは当然のこと。 NYは銃所持者が少ないだけあって、逆に殺人を含む犯罪が少ない治安の良い街であることは、実際に暮らしているニューヨーカーと 一般的な日本人の大きな認識の違いだと思うのだった。
そんな認識を植え付けるメディア報道が、どの国でもあてにならない事について語っていた時に、私が例として話したのが、電話で某企業のカストマー・サポートと話していた時のストーリー。 その女性が南部アクセント(訛り)で話していたので 「貴方、何処の人?」と尋ねたところ、「具体的な場所は言えないけれど、テキサスのメキシコとの国境エリア」という答え。 その頃は連日のように記録破りの不法移民がメキシコとテキサスの国境から流れ込んでいるニュースが大々的に報じられていたので、「じゃあ今、移民で大変でしょう?」と尋ねたところ、 「ニュースで言っているだけ。過去3年くらいずっとこうだから、住んでいる側にとっては いつもと全く同じ」とのこと。TVでインタビューされて、問題を訴えている地元民についても、 「大袈裟なリアクションをしているけれど、あれってリアリティTVみたいなものでしょ」とも語っていたのだった。
私はNYの治安についても同じだと思っていて、そのテキサス州から大量に不法移民が移送されてきたとは言え、治安のレベルは以前と同じ。 アメリカでは右寄りの保守メディアが、これまで移民政策に寛大だった リベラル派が多いブルー・ステーツの治安の悪さを強調する報道を積極的に行っているけれど、 日本のアメリカ関連の報道を見ていると、かなり右寄りメディアからソースを拾っているように感じられたのだった。
その証拠に、私の日本滞在中には トランプ氏がリヴァタリアン・ナショナル・コンベンションでのスピーチで 猛烈なブーイングに見舞われ、さすがのトランプ氏もタジタジで弱々しいスピーチしか出来ない様子が アメリカの3大ネットワークを含むメインストリート・メディアで大きく報じられていたけれど、 日本ではそんな報道は全くされていなかったのだった。

そして…選挙について

その大統領選挙については、「やっぱりトランプが返り咲くの?」という質問が多かったけれど、 アメリカに住んでいると、「トランプもバイデンも嫌い、どちらにも投票しない」という人が非常に多く、今回の選挙は2016年のトランプVSヒラリーの対決時よりも 「双方の候補者が嫌い」とアンケート調査で回答する人々が多いのが実情。
共和党の支持者の中にアンチ・トランプ派が増えている一方で、民主党支持者の中にはバイデン氏の痴呆を疑う声が多く、 アメリカの選挙の行方は、直前になるまでは戦局が分からないのは毎度のこと。現時点での世論調査結果や下馬評は勝敗とは無関係と捉えるべきなのだった。 その世論調査では、経済とインフレが最大の関心事になっているけれど、歴史的に庶民が食べ物に飢えた時に革命が起こってきたとは言え、経済問題は感情を揺さぶるには弱いファクター。 私自身は「民主主義の保持」が意外に大きなファクターになるように感じていて、それというのも民主・共和双方の支持者が違う見地から民主主義が揺らぐことを危惧しているため。 民主党側は、前回の選挙時同様、国民による選挙結果が負けを認めないトランプ氏の扇動で覆されることを危惧しているし、 共和党側は 「民主党による不正選挙や司法を武器にした魔女狩り訴追で民主主義が崩れ去ろうとしている」と支持者を煽っており、 トランプ氏は既にインタビューで自分が落選した場合、その選挙結果を受け入れず、再び暴動を起こす可能性を宣言している有り様。
なので、私は選挙ですんなり大統領が決まらないように思っているけれど、カナダ政府もアメリカが選挙結果を巡って内戦に陥った場合の対策を 既に37ページの書類に纏めていることが先週報じられているのだった。

最後に私は毎年一時帰国をする度に日本の方がNYより紫外線が強いことを感じて来たけれど、今年は自分の肌がエイジングで弱ったのか、それを更に強く感じてしまったのだった。 直射日光に当たってから、肌がヒリヒリしてくるまでのスピードがあまりに早くて、顔はもちろん、ボディの日焼け止めもマストの状態。 でも湿度が高いので持参したボディ・クリームは使用機会が殆ど無しで終わったのだった。
そして今回の滞在でもアイフォンの地震アラームで早朝に叩き起こされてしまったけれど、NYで地震が起こった際には数分遅れだったのとは異なり、 日本では地震直前にきちんとアラームが知らせてくれたのだった。

Yoko Akiyama



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執筆者プロフィール
秋山曜子。 東京生まれ。 成蹊大学法学部卒業。丸の内のOL、バイヤー、マーケティング会社勤務を経て、渡米。以来、マンハッタン在住。 FIT在学後、マガジン・エディター、フリーランス・ライター&リサーチャーを務めた後、1996年にパートナーと共に ヴァーチャル・ショッピング・ネットワーク / CUBE New Yorkをスタート。 その後、2000年に独立し、CUBE New York Inc.を設立。以来、同社代表を務める。 Eコマース、ウェブサイト運営と共に、個人と企業に対する カルチャー&イメージ・コンサルテーション、ビジネス・インキュベーションを行う。
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